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コメント
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お疲れ、天涯孤独さん!第4話読んだわ。 占い師コナータミソン、見た目からして怪しいのに「ドラゴンですね」ってド直球で言うの面白すぎるだろw でも「未来が見えない」って伏線が一気に作品のスケールを広げた感じがして痺れたわ。最後の「やはり、そうですか」も気になるし、みどりが絵を見て「知ってる気がする」って言ったシーン、グッときた。 小説の世界観がじわじわ広がってて面白い。続きが気になるわ🔥
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#ntjo組
ゆかボンド
30
――数日後。
「……なぁ、みどり」
「なに?」
「お前ってさ」
俺は大学から帰ってきた鞄を床に置きながら、みどりを見る。
「結局、何者なの?」
「ドラゴン」
「そうじゃなくて」
「小さいドラゴン」
「それも分かってる」
みどりはテレビを見ている。
最近こいつは、俺の家に完全に馴染んでしまった。
俺の枕を使い。
俺の冷蔵庫を漁り。
俺のゲームを勝手に起動し。
そして俺の財布を圧迫している。
「……そもそも、なんで段ボールに入ってたんだ?」
「分からない」
「誰かに捨てられたとか?」
「分からない」
「どこから来たの?」
「分からない」
「何歳?」
「分からない」
「……お前、自分のこと何も知らなくない?」
「うん」
「うんじゃねぇよ」
どうしたものか。
警察に相談するわけにもいかない。
「ドラゴン拾いました」なんて言ったら、俺の頭がおかしくなったと思われる。
かといって、放っておくこともできない。
「……誰か、こういうの詳しい人いないかな」
俺が呟くと、みどりが振り向いた。
「いるよ」
「え?」
「占い師」
「…………」
「占い師」
「なんで二回言った?」
「大事だから」
「お前にとって?」
「うん」
「そう……」
みどりはテレビに視線を戻した。
「コンタミって店」
「コンタミ?」
「そこにいる」
「……占い師が?」
「うん」
俺は少し考えた。
「……怪しくない?」
「怪しいよ」
「自覚あるんだ」
翌日。
俺は「コンタミ」という店の前に立っていた。
「…………」
外観からして怪しい。
看板には大きく、
##『 コンタミ 』##
とだけ書かれている。
何の店なのか、まったく分からない。
「……本当にここ?」
「うん」
隣にはみどり。
今日は普通に歩いている。
「お前、外出て大丈夫なの?」
「大丈夫」
「まあ……誰もいないしな」
俺はドアを開けた。
カラン、と小さなベルが鳴る。
「いらっしゃいませ」
店の奥から声がした。
そこにいたのは、一人の男だった。
不思議な模様が描かれた口を隠す布。
どこか掴みどころのない雰囲気。
そして、机の上には大量の紙と絵の具。
「……占い師?」
「はい」
男は顔を上げる。
「コナータミソンと申します」
「どうも……」
俺は椅子に座った。
みどりも隣に座る。
「今日は何を占いましょう?」
「えーっと……」
俺はみどりを見る。
「こいつについて」
「ほう」
コナータミソンがみどりを見る。
「ドラゴンですね」
「分かるんだ」
「見れば分かります」
「ですよね」
コナータミソンはみどりをじっと見つめる。
しばらくして。
「……なるほど」
「何か分かりました?」
「分かりません」
「え?」
「何も」
「占い師ですよね?」
「はい」
「…………」
みどりが口を開く。
「お腹減った」
「お前は黙ってろ」
「でもお腹減った」
「今それ関係ないから」
コナータミソンが小さく笑う。
「面白いですね」
「何がですか?」
「あなた方です」
「俺たち?」
「ええ」
コナータミソンは机の上のカードを一枚取った。
「少し占ってみましょうか」
「お願いします」
カードを並べる。
一枚。
二枚。
三枚。
「…………」
コナータミソンの表情が、少しだけ変わった。
「……?」
「妙ですね」
「何が?」
「この子の未来が見えません」
「え?」
「正確には――」
コナータミソンはみどりを見る。
「見えないというより、見せてもらえない」
「…………」
空気が少しだけ変わった。
俺は思わずみどりを見る。
みどりは、何も気にしていない様子でカードを眺めている。
「……どういう意味ですか?」
「さあ」
「いや、占い師なら分かるんじゃ」
「私は未来を当てるだけですから」
「いやそれも十分すごいんだけど……」
コナータミソンはカードを片付けた。
「ただ」
「?」
「一つだけ言えることがあります」
彼は俺を見る。
「あなたとその子は、しばらく一緒にいることになるでしょう」
「…………」
「それも、かなり長く」
「……」
俺はみどりを見る。
「……だそうだけど」
「うん」
「お前はどう思う?」
「別にいいよ」
「…………」
「らだ男の家、暖かいし」
「理由それ?」
「あと、ご飯ある」
「…………」
俺は頭を抱えた。
「……まあ、いいか」
コナータミソンは、そんな俺たちを見ながら笑っていた。
「仲が良いですね」
「まだ会って数日ですよ」
「それでもです」
店の奥には、たくさんの絵が飾られていた。どれも奇妙で、どこか不思議な絵だった。
「これ、全部あなたが?」
「ええ。趣味です」
「すご……」
「ありがとうございます」
俺は一枚の絵を眺める。
そこには、夜空の下に立つ大きな何かが描かれていた。
「……これ、何ですか?」
「さあ」
「描いた本人なのに?」
「想像ですから」
「……そうですか」
そのとき。
みどりが絵を見ていた。
じっと。
いつもの眠そうな顔ではない。
何かを思い出そうとしているような。
「みどり?」
「…………」
「どうした?」
「……あれ。」
「?」
「なんか、知ってる気がする」
俺はみどりの視線を辿り、その絵を見る。
何の変哲もない絵だ。
なのに、みどりはしばらくその場から動かなかった。
「……帰るか」
「うん」
俺はみどりを抱き上げた。
「ありがとうございました」
「こちらこそ」
店を出る。
扉が閉まる。
店内に静寂が戻った。
コナータミソンは、窓の外を眺めた。
「…………」
そして、小さく呟く。
「やはり、そうですか」
机の上。
先ほど占ったカードの一枚だけが、裏返ったまま残っていた。