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第11話 理世に与えられしもの

「ジェイド殿下には、この箱の中を見通していただきます」

神官はそう告げた直後、覆っていた布を取り払うと、中身が丸見えなガラスの箱が現れた。

中にあるのは、中心から外れた位置にある、壊れた懐中時計。

(中身丸見えなのに、中身を見通せって……どういうこと?)

再び貴族たちが騒がしくなる中、迷っていた理世。

(壊れた内容を細かく見ろってこと? 短針長針、秒針も止まってて……)

「『――理世』」

迷う理世に、穏やかで優しいジェイドの声が降って来た。

「『難しく考えることはないよ。簡単なことだから』」

さらには自信に満ちた声に、自分の迷いが止まるのを理世は感じていた。

「『理世はただ、「与えられた力」をそのまま使えばいいんだよ』」

(ああ……そっか。そうだよね)

続くそんな言葉が、理世の理解を促した。

(迷うまでもないよね。ここに私がいる意***********

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