テラーノベル
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アラスター×ヴォックス
ヴォの過去や親の姿等捏造、自殺表現諸々
ヴォックス(ヴィンス)がシンプルに可哀想
誤字脱字注意
学+現パロ
生前にアラヴォクが会っていたら、という限界オタクの妄想です。
それでもいいならお楽しみください
怖かった
危なかった
バレるところだった………
アラスターと飲みに行った。
凄く嬉しいし、楽しい時間を過ごせた。
だが、そろゝ帰ろうかと言いだした頃、アラスターがこう言った。
「”それ”、どうしたんれすかぁ……?」
アラスターは俺の手首に巻いてある包帯を指さした。
実は、俺は自傷癖があった。
あったというか、こうして自殺を続けているうちに、少しでも衝動を抑えようと腕や太腿を傷つけ始めたのだ。
ギラつくシルバーの刃。プツリ、と音を立てて肌が裂かれ、綺麗な赤いものが流れる。それが肌を伝う感覚は、なんとも気持ちよく感じてしまうの。
やめようと思うがやめられない。親に散々罵倒された過去の思い出がある限り、俺の自傷《これ》が治ることはないだろう。
それがバレかけた……。
咄嗟に打撲しただけだ、と嘘をついだが、騙せていたかどうかはわからない。
ホラ、彼奴は勘が鋭いから。
あれから、アラスターは念のためスマホを購入したらしく、俺と連絡を交換をしてくれた。
遂にアラスターと連絡がとれるようになった。嬉しくて堪らなかった。
そして数日後、大きな仕事が入った。とある番組のレギュラーになる、という……。
その番組のプロデューサーが俺の天気予報を見たとき、有難いことに、『この人しかいない』と思ったらしく、オファーをくれたのだ。
勿論俺でいいのなら。認めてもらえるのなら。なんでもしたい。
できる、限りは────
仕事にも慣れてきて、俺の知名度も高まっていった。共にアラスターも。
本当に尊敬できる奴だし、すごく努力しているし。素敵で、カッコイイ奴。たまに飲みに行ったりもした。
そのせいか、俺の希死念慮もだいぶ薄れていった。
人生とは、人が生きること、生きていくこと。
人生には、誰にも予想できない未来が待っている───。
いつか読んだ記事で、そんなことを言っている人がいた。
それはそうでしょう、と思ったが………
───こんなことになるなんて思ってなかった。
ヴィンセントと会ってから、テレビに少しずつ触れていった。今では、やはりラジオが好きだが、テレビも悪くないと思う。
そしていつも通り天気予報を見ていた。
すると、速報が入った。
『速報です。先程、天気予報士の”ヴィンセント・ホイットマン”さんが大怪我を負い、病院へ運ばれました。』
「…ぇ、────?」
言葉が出ないなんて、初めてだった。
いつもペラゝと出てくる言葉が…出ないなんて。
ヴィンセント…ヴィンセントが……?
焦った。息が荒くなった。彼の身に何があったのか。
『通報した方は、ビルの入口あたりで、血を流して倒れているの見た、と証言しました。体には、無数の切り傷が見られ、頭を強く打ったようでした。』
切り傷…他人の犯行?
しかし頭を打ってた…となると。高いところから落ちた、ということか…?
『〇〇病院の〇〇医師は、命に別状はない、と言及しました。未だ意識は戻っていないようです。』
そのあとには、打って変わって野球のニュースが始まった。
それと同時に私の足が動いていた。
いつものコート、ズボン。眼鏡を拭いて、靴を履いた。
仕事なんてキャンセルした。
勢いよくドアを開けて、大急ぎで電車に乗って向かった。
────〇〇病院へ。
幸い、近い病院だった。
「すみません、…ヴィンセント…ホイットマン、彼の病室って何処です…?」
急に予約も悪い病気もない男が受付に来たら驚くだろうが、彼は私に見覚えがあるようだった。
『ぁっ、あの…もしかして…アラスターさんですか……?』
「……私のラジオの視聴者でしょうか?」
『はっ、はい…!!よくお便り送ってて…!』
「そうですか…いつもありがとうございます」
いつもの笑みを浮かべ、受付の看護師…いや、視聴者に対応する。
『ヴィンセント・ホイットマンさんに……?なぜ…?』
「……彼のお見舞いですよ。…”友人”なので」
友人。使ったことのない言葉だったが、彼だけはそう呼びたかった。
『そうですか……アラスターさんとお友達なんですね…!』
「まあ、内緒にしていただけると嬉しいです」
私の頼みなら、とその視聴者は私を通してくれた。正直すごく助かった。関係ないだろうと突き放される未来が見えていたから。
奥に通されると、「ヴィンセント・ホイットマン」と書かれた個室が見えた。
『此処です』
「ご親切に。ありがとうございます」
『いえゝ!そんな…!しかし…なぜヴィンセントさんが…』
それは本当に謎だった。
もしかすると…と最悪の理由も考えたが、ヴィンセントに限ってそんなことは……と思い、目の前のことに意識を戻す。
『あっ、…では私はこれで。アラスターさんともお話できてよかったです…!あっ、すみません…不謹慎ですよね…』
「いえ。ありがとうございます。私こそ楽しい時間を過ごせましたから」
彼は忙しそうに去っていった。私は前を向きなおし、ドアをノックする。
「……失礼します」
ガラ……と小さい音を立ててドアが開く。
『な、ぇッ………?!』
「ッ、……………?!」
『アラ、スター……?!』
『なんッ…でここにっ……?!』
「いや……貴方がこの病院に運ばれたと……ニュースで見て……」
真っ青な顔のヴィンセントがいた。ベッドに座っていたのだ。
『その…え……仕事は…』
「そんなのキャンセルですよ。休み入れました」
腕に包帯を巻いているところだった。まだこの前の打撲傷は残っているらしい。
「頭は見たらわかりますが…切り傷も負ったと聞きましたよ」
『あー、…そ、それはだな、!』
こっちは心配だったというのに、言い訳をしだす。
『前に擦れたんだよ、!コンクリートで引っかかっちまって、!だから傷は1箇所だ!大袈裟なんだよメディアは!』
またいつものようにガハハと笑う。こんな大怪我をしているのに。
そんなことを言って、擦れた…であろう傷を見せた。太腿に大きな切り傷が1つ。
『切り傷というか、擦り傷だな!ハハハ、!』
何も面白くないのだが…とか思いながらも、ヴィンセントはこういう奴だと知っているからツッコまなかった。
「はぁ…どうしたんですか。本当に。なんでそんな大怪我したんです?」
『ぁ〜…、えっと…き、記憶がなくてだな…!』
いつもどおり身振り手振りで伝えようとする。が、
『ぃ゙っ…!』
骨折しているのか、左腕を抑えだす。
「折れてるなら無理しないでください。口頭で良いですから」
『え、え〜と…なんていうか…た、たまゝビルの屋上に来てたんだよ!気晴らしに!夜風に当たるのが好きで…』
私は黙って聞いた。
『そしたら…ぇと…急に誰かに押された気がして…気づいたらここに…』
「…そうですか」
やはり、何か隠してるんだろう。
まだ何か違和感が残っているが、今日はもう帰ることにした。
「…また来ますよ?」
『嗚呼、心配かけてすまない…ありがとう』
今度は理由を聞いてみたい。
そう思いながら帰路に着いた。
end
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