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甘いココアと君
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「冷めちゃった。」
そんな言葉をフィンが発する。
突然のことに思考が追いつかなくなった、
僕に冷めた、?
僕のことを嫌いになった、?
そんな不安な気持ちでいっぱいになりながらも恐る恐るフィンに聞いた。
「僕が、?」
「ううん。ココアが。」
「…よかった。 」
そんな何気ないような話をして過ごしていた。
そんな急に「冷めちゃった。」なんて言われると不安になるに決まっている。フィンもきっとそうだ。
そんなことを考えていると、フィンが僕に優しく問いかけた。
「何が よかった なの?」
もちろん自分が冷められたと思ったから、
ただ不安になっただけ。
冷められてもうフィンと居られないと考えると心がぎゅっとなって苦しくなっただけ。
「別に。大したことじゃないよ。」
──僕はそう誤魔化した。
別に誤魔化すようなことでもないのに、
国宝級の杖に選ばれた天才が本当はフィンに弱くて、少しなことで不安になっているなんて思われたくなかったから。
「そっか、なんか、無理してる感じがするよ。無理しないでね。」
こんな僕のごまかしも、無理しているのもバレてしまうなんて。フィンには全てお見通しだな。
「無理してる感じがするよ。」
「無理しないでね。」
──そんな優しい言葉で僕の心が満たされる。
頭が真っ白になって何も考えられなくなる。
フィンがいなきゃ僕は何も出来ないんだな。と実感してしまった。
─ 翌朝 ─
コンコン 。
ぼくはフィンの部屋のドアを優しくノックした。
すると寝起きのフィンがドアを開けて出てきた。
「ん〜、」
寝癖が付いていて、服はパジャマ。
寝起きなのに顔は綺麗に整っている。
そんな寝起きのフィンに見とれているとフィンが小さくあくびをした、
かわいい。
あくびをしたせいか目から涙がたれた。
太陽の光でフィンの涙が輝いたように感じた。
「おはよう。フィン 迎えに来たよ。」
僕がそういうとフィンは目をこすって ぼくに言う、
「カルパッチョ、おはよう、早いね。」
「そんなことない。早く行かなきゃ授業に遅れるよ。」
待って、というかのようにフィンはハッとして早足で制服に着替え部屋から出てくる。
「フィン、マッシュ・バーンデッドはいいの?」
ぼくは あれ。 というように爆睡しているマッシュに指を指す。
「ぁ、まってて、!!」
「…うん。 」
本当はアイツのことなんか気にかけて欲しくなかったのに。
僕は何をしているんだ。
「マッシュ・バーンデッドはいいの?」
なんてなんで聞いたんだ。
アイツも着いてくるだろ。
まぁ。ぼくは授業違うから見送ることしか出来ないけど。
「マッシュくん、!起きて…!!」
部屋からフィンがマッシュを起こす声がする。
…いいな。
ぼくはフィンにああやって体を揺さぶられたこともない。
…そもそもフィンはお人好しすぎるんだ。
別に自分のことじゃないからずっと寝かせておいてもいいはずなのにフィンはそれをしないでちゃんと起こしてあげる。
遅刻寸前だって言うのにも関わらず。
「フィン。もう行こう。」
「あと少し待って、!」
……、やっぱりフィンには僕なんかよりマッシュがお似合いだ。
僕たちは付き合ってるんだ。
なのに恋人じゃなくて友達優先。
──意味がわからない。
あんなやつ放っておけばいいのに。
そんなことを考えているとやっとフィンが出てくる。
「お待たせ……!ごめんね、」
「……別に。マッシュ・バーンデッドと授業いけば。僕より友達優先するんだから。」
違う。
本当はそんな冷たいことを言いたいんじゃない。違う、違うのに。
「ごめん、そんなつもりはなくて、」
落ち込んでしまった。
たった今、僕のせいで。僕の発言のせいで。
「…早く行きなよ。」
「うん、。」
──そんな僕の冷たい態度が何日も続いた。少しでも冷たくすればフィンは僕を見てくれるんじゃないかと思った。
今日もフィンは放課後に僕の部屋に来てココアを飲んでいた。
「冷めちゃった。」
「ココア?」
「ううん。」
「カルパッチョに。 」
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