注意事項
・オリキャラ出ます。
・政治的、戦争賛美の意図はございません。
・作者の創る物語はほとんど同じ世界線です。
・衝動書きのため、文書が少し拙いです。
・本気で短いです。
ではでは、祈りを捧げ続けるあの子のお話をお楽しみあれ。
陽が葉を紅く染め、道を照らし、影を伸ばし、夜の碧と混じり、紫の空を生み出していた頃。
家の屋根裏部屋に登ると、いつものように私、バチカン市国様のドールである市華は、空を見上げました。
空の色がだんだん濃くなると、より注意深く空を見つめました。
「今日は一番星、見つけられますかね?」
ふと、口から漏れた言葉は、空に消えていきました。
「あっ!」
空を眺めていると、さっそく一番星を見つける事ができました。
どこかで聞いた、「一番星に祈れば願い事が叶う」と言うもの。
私自身が、お姉様達みたいに何か大きな事はできないし、直接守る事のできる力も持ち合わせていません。
だから、私はいつも祈っています。
神に、星に、精霊に、自然に。
祈る事のできるもの全てに私は祈り続けています。
そうしたら、間接的でしょうが、お姉様達を助けれるような気がして。
そして、私は今日も祈ります。
「お姉様達が幸せにいれますよに」
「大切な人達が苦しまなくて済みますように」
祈る事しかできない私は、昔と何一つ変われていない私は、祈る事しかできず、周りの人に助けられてばかり。
そんな自分に嫌気が差そうが、私が私でなくなる事は無い。
「神よ、私も、変わる事ができるでしょうか?」
空に向かって問いかけてみても、返事は返って来ない。
それでも、変わるしかありません。
だって、ドールの寿命は無限ですが、有限でもありますから。
そんなどうする事もできない思考を巡らせていると、下から声が聞こえました。
「市華さ〜ん!夕飯できましたよ〜」
アンドレアさんの声ですね。
もう、そんな時間ですか…。
「同じ空の下、私はずっとお姉様達の幸せを願っております」
きっと、ここからではお姉様達には私の声は届きません。ですが、たまにはこう言うのも別にいいですよね……?
「アンドレアさん、すぐに行きますわ」
下にいるアンドレアさんに声をかけて、大切にしている純白のローブに埃が付かぬようにし、バチカン市国様も待っているでしょうから、いそいそとリビングへ向かいました。
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