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私は今日も学校への長くて重い道のりを歩いている。
めまいで自分が真っ直ぐ歩けているのかも分からない。気持ち悪くて頭も痛くて、目の前がぐわんぐわんしている。
きっと、もう。限界だ。
体育の時、優香が倒れた。先生たちが集まっていて、とりあえず保健室で寝かせておくことになったようだ。
放課後様子を見に行くと優香の母親が迎えに来ていた。俺は優香の母親が保健室に入ったのを階段から見て、入っていいか迷い、結局保健室の扉の前で立ち止まった。
すると優香と優香の母親の会話が聞こえてきた。
「勉強出来るの?」
「私はあんたの世話なんかしてあげないわよ」
優香は倒れたって言うのに最初に心配するのは勉強のことなのか。何が原因で倒れてしまったのか聞きもしない。
本当に嫌になる母親だ。
「大丈夫だよ。ちゃんと勉強できる。」
きっと優香は今も張り付けたような笑顔を浮かべている。
そう思うだけで胸が痛んだ。
そうじゃないんだ。俺らが言って欲しいのはそんな言葉じゃない。