テラーノベル
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とある館の一室…
「異能力の扱いには慣れたかい?」
涼やかで凛とした声が響く
「伯爵…!」
この方は伯爵
私達のような強すぎる異能力を持ち生まれ、家から追い出されたり、そもそも親がいない子どもを育てて下さる
異能力の使い方も、教えてくれる
「彗蘭の能力は、確か星を操る能力だったよね」
「覚えていてくださったのですか……?!」
「もちろん!」
「変化の魔術は使えるようになったかい?」
「もう少しです!」
「じゃあ秀硫亜たちを見てくるからまたあとで会おうね」
「行ってらっしゃいませ〜」
登場人物紹介
主人公
葵咲 彗蘭 きさき すいらん
12歳
女
5歳の頃〈館〉へ来た
能力 星のコトバ
星を操り、動かし、言うことを聞かせ、意思を持たせる
好きな天気にできる
砕抹 秀硫亜 さいまつ ひるあ
13歳
男
6歳の頃〈館〉へ来た
能力 地面操作
地面を操り、壊し、災害を起こす
小さな山、湖を作ってよく遊ぶ
伯爵
年齢、性別、能力不明
〈館〉の管理人
用語説明
〈館〉
謎が多い
本当に〈館〉なのか……?
生きているのではないか…?
度々子どもが消え、館の外見や色が変わる
〈異能力〉
強すぎる異能力は、弱すぎる異能力の突然変異で生まれる
でも伯爵の家は代々強いようで…?
彗蘭は図書館にいた
「……は?」
強すぎる異能力は、身体にダメージを与えれば与えるほど強くなる
寿命はその分縮む
今まで
ここまで
こんなに
こんなに強くなったのは……
身体にダメージを与えられていたから…?
じゃあ一体誰が…?
〈館〉から友達が消えるのも関係あるのだろうか
過去を考えると頭が痛い
お前か
お前がやったのか
一生恨んでやる
過去を忘れさせたこと
身体を改造したこと
伯爵
お前を一生、一生…!
ユルサナイ
「……え」
なに今の声
脳内に誰かが話しかけてくる
その頃、秀硫亜は……
「……迷子…」
館広すぎる……
ヤバい来ちゃ駄目なとこ来ちゃったかも
壁が真っ黒だ
不気味で怖い
今にも誰かが襲ってきそうだ
トンッ
「痛っ」
ゴゴゴゴゴゴゴ
「…なに、これ?!」
「隠し扉?!」
中は実験室のような、病院のような場所だった
奥に進むにつれて、
ココカラサキハ、イッチャイケナイ
脳内に誰かが話しかけてくる
キケンダ、ヤメテオケ
「ごめん」
「気になる」
知らなきゃいけない気がした
恐怖を振り切り必死に走る
辿り着いた先には、信じられない物があった
「なんだ、よ、こ…れ」
仲間が。
〈館〉から消えた友達が。
水槽の中で
チューブを繋がれていた
ミチャダメダ!
五月蝿い
伯爵か?!
伯爵がやったのか?!
いや相談したら俺もこうなる
彗蘭に相談するか…?!
でも危険に巻き込みたくない、絶対。
でも「なんで言ってくれなかったの」
と言われたら…?
怖い
嫌われたくない
2人でならできる、きっと、きっと。
戻ろう。
「能力、地面操作」
ビビッ
道が浮き出てきた
辿れば戻れる
伯爵に会いませんように。
同時刻、〈館〉のモニター室にて
「あぁ~あ」
「見ちゃだめだったのに」
「秀硫亜はお気に入りだったのに残念だ」
「バラすしかないなぁ…」
男はクツクツと笑った
タッタッタッタッタッタッ
「彗蘭!」
「あ、秀硫亜…」
「そんなに慌ててどうしたの…?」
「伯爵が何か企んでいる…!」
「友達が…!酷いことに…!」
「秀硫亜、落ち着いて」
「何があったの」
事情を説明し終わると、彗蘭の顔がサァっと青くなり、強張った。
「実は、こんな本があった」
「ッ…!」
「2人で伯爵のしようとしていることを暴こう」
「計画たてないと、ね」
「2人でならできるよ!なんだって!」
「まずは、、、〈館〉から出よう」
「伯爵に散歩を切り出してみようか」
「そうだね」
「まって、」
「いつもの能力停止手袋さ、」
「妙に重かったよね」
「何か入ってる気がする」
「GPSかなにかってことか、彗蘭?」
「ええ、多分」
「あ!」
GPS……星…?操れるぞ…!
ヤメテオケ
「ッ?!」
「ッ?!」
バッ
私たちは顔を見合わせる
「今…聞こえた?」
「あぁ、ハッキリ」
「『ヤメテオケ』、と」
さっき逆らっても大丈夫だったんだ…!
「さっき逆らったが大丈夫だった」
「俺がついてる」
「彗蘭」
「安心しろ」
「秀硫亜…」
「やってみる、ありがとう。」
「能力、星のコトバ
GPS解除」
ピピッ
「あ、いけたっぽい」
「じゃあ出るぞ」
「伯爵〜!」
「秀硫亜に彗蘭じゃあないか!」
「どうしたんだい?」
「えっと、2人で散歩に行きたくて」
「ふふっ、デートってことだね、?」
「いやっ!ちが、っ!」
「違くないだろ、彗蘭」
「……まぁ」
「行ってらっしゃい、夕飯までには帰ってくるんだよ」
「は~い!」
ガチャッ
よし