まだ暑さが残っている秋の日、私は訳あってとある駅に来ていた。
「おおー!MSとRNじゃん!」
そう私が話しかけたのは友達の友達でありある意味ネッ友関係の二人である。
「もう少ししたら、ARとかKHも来るかなー」
RNはそういった。
「…」
MSはネット上ではびっくりするぐらい喋るのに、リアルだとこういっちゃ悪いが陰キy…っぽい。
そしてARとも合流した私達は、KHを待っている間に
「やめてください!」
と聞き覚えのある声が聞こえた。
急いでその声のもとに行くと、KHが男の人に連れ去られそうになっていた。
その近くに人だかりができているがみな写真を撮るだけで誰も助けない。
「やばくないあれ…」「ねー…」などと会話するだけで誰もKHを助ける気はないようだった。
そして、私達は助けようとした。が、足がすくんでまったく動けなかった。とても不甲斐なかった。男の人が恐ろしかったのだ。
もちろんここの全員で動けば男の人1人ぐらいは倒せたのかもしれない。そうこうしているうちに、KHは闇へ吸い込まれていった。
その事件は、一度はニュースに挙げられたが、その事件なんて存在しなかったというかのように、ニュースの欄はいつの間にか芸能人の不祥事や結婚報告などで埋め尽くされていく。その辺の女の子が一人行方不明になったところで、世間は見向きもしなかった。
世間と同じように私達も自然と忘れていった。…いや記憶から消したくて消した。という方が正しいかもしれない。
「KHの分まで人生を楽しまないと。」
「KHってこれすきだったっけ。」
「KHって…」
「あれ」
KHって、誰だっけ。
記憶喪失ってこんなものなのかもしれない。
自分が思い出したくても忘れてしまったこと。
自分たちだけでも覚えてなくちゃいけないこと。
「おい、ふざけんなよ!私のこと忘れんじゃないよ!」
そこにはKHが立っていた。しかし、下半身が半透明で”まだ”制服を着ていた。
そしてKHは怖い顔で言った。
「きみらが助けてくれなかったこと、一生呪ってやるから。」
そこで目が覚めた。KHはいなかった。自分の記憶がイマジナリーのKHを生み出していたらしかった。
「たしか、「君等が助けてくれなかったこと、一生呪う」って言ってたのは13年前のマイクラのときだっけな。」
懐かしいなぁ…いつの間にか目から涙がこぼれ落ちていた。
私はそこで、「後悔」という感情を初めて知った。
はい!一次創作です!いやぁ。実は主人公の子はまあうちの子なんですが、その子はどんな子だったのか、誰とどんなふうに接したのかなどは読者さんたちの想像におまかせします。雑談部屋にてこの読み切りででたうちの子の設定を書き込んでおくので、気分があれば一瞬フォローして見ていってください!それではまた〜
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