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「さっきも描いたけど、イマイチ調子が悪いです」
学校から帰ってきて、また自虐を交えて他人の絵を投稿する。
そうすることを覚えたのは何故かというと、その方が伸びるからだ。自虐を入れる事で、見ている側は«そんな事ありませんよ»というリプライを送りやすくなるのだろう。
人間の心理がよく分かる。
私が言えたことでは無いのかもしれないけど。
たくさんの褒め言葉にうっとりとしていると、またXuiがリプライを送ってきた。
【ルナさんって、作品によって絵柄を変えられているんですよね。今回もよく合ってると思います!凄いなぁ。もうプロですよね!】
ギクリとした。
それはそうだ。不特定多数の上手い人の絵を拝借して来ているのだから«ルナ»の絵柄は特徴もなくコロコロと変わっていくのだ。
Xuiはそれを指摘してきた。正直焦ったが、ここでブロックしたり変に反応すると怪しまれるだろう。
「そうなんですよ!描くものの雰囲気によってガラリと変えているんです。私の絵をそこまでよく見てくださってるなんて、嬉しいです!」
よし、怪しくない。
それを送信すると、私はスマホを閉じてパソコンに向かった。
今なら何か、描けるかもしれない。
恐る恐るタブレットのペンを握って描画ソフトを開くと、私は久々に«自分の絵»を描き始めた。
試しに、そうだな…、コイツを描いてみよう。
私がモデルに描こうと思ったのは他でもない
«ルナ»だ。ルナを描こう。そして完成したら自画像として、ルナのアカウントに載せるのだ。