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ーー長い道のりだったが、ようやく見えてきたギルドに安堵と共に緊張が走る。
ギィィ
「ん?こんな夜中にいったい…… アレン?ってえっ!?」
入り口近くにいた、リズベット驚きの表情を浮かべ駆け寄ってくる。
「はぁ…はぁ……だれ、かっ…!」
「…っ!?その怪我っ!?」
数名のギルド員の視線が集まる。アレンは言葉を発することすらできず、ただカイルを抱えながらその場に崩れ落ちた。
「マスター!早く来て!!…カイルとアレンが!!!」
リズベットはすぐにグラムと治癒魔法使いを呼んだ。
「何事だ!…っ!」
数秒後、グラムと治癒魔法使い4人が駆けつけすぐに状況を把握する。そんな中、治癒魔法使いの一人がアレンとカイルを見つめ、驚きの表情を浮かべた。
「この怪我は…!?…すぐ医務室に運ぶぞ!お前たちはーーー」
遠のいていく意識の中、カイルの無事だけをただただ願っていた。
(カイル、どうか無事でいてくれっ…!)
目を覚ますとベットの上にいた。
「う……っ!カイル!!」
「やっと目が覚めた、よかった…!」
リズベットが寄り添っていてくれたのだろう。だが、それよりも気になることがある。恐る恐る尋ねるとーー
「カ、カイルは?」
「…..落ち着いて聞いてね。」
その言葉に鼓動が脈打ち、呼吸が荒くなる。
「まだ治療が続いてるの、予断を許さない状況よ」
そう聞き、瞳が潤み今にも涙がこぼれ落ちそうになる。
「行かなきゃ…!」
「え?ま、まってアレンあなたも重態なのよ…!」
僕はリズベットの制止も聞かずにカイルのいるであろう医務室に向かった。扉の前にはグラムとアリアがいた。
「アレン、動いて平気なのか!」
そういうグラムの心配をよそに医務室のドアノブに手を添えるも手が震えて開けることができない。
扉の前で、手が止まった。
震えている。
怖い。
——もし、間に合っていなかったら。
「アレン…」
重なったアリアの手の温もりで、ようやく呼吸を思い出した。
「カイルは強い子よ、きっと大丈夫」
部屋の前の長椅子に座るよう促され、落ち着かない心を抱き腰掛ける。
僕の震える肩をアリアの腕が包み込む。
「くぅっ……!」
僕の中で責める気持ちが溢れ、言葉にならない声が漏れる。
数時間後。
僕が目を覚ますとそこはギルドの広間だった。
どうやら度重なる疲労により、いつの間にか意識が飛んでいたようだ。
「ん、いつの間に?みんなは?」
ギルド中を見渡すと辺りは静まり返り、誰一人いない。
「はっ!カイルは!!」
医務室に着くと扉が開いている。どうやら治療が終わったみたいだ。
ゆっくりと医務室へと入る。
「カイル……?」
かすかな寝息。
その音を聞いた瞬間——
全身から力が抜けた。
「……よかった……っ」
息をしているカイルを見た僕は堪えきれず、涙が溢れる。すると、カイルの瞳がゆっくりと開く。
「ん?ここは?」
無意識だった、気づいたら目覚めたカイルに抱きついていた。
「って、痛ぇ!……情けねぇ顔しやがって……!」
「ガ、イル!!」
カイルの弱々しい笑顔と無理に元気に振る舞う姿も、どれも確かな生気を宿していた。
「カイル、良がった…!本当に良かった…!」
「ったく、俺がそう簡単には死ぬわけねぇだろ!そんなしけた面すんなって!……あたたぁ」
僕はその言葉に安堵し、カイルの無事を確認できたことに心から感謝した。
「でも…僕のせいで、カイルが…!」
「……じゃあよ、アレン」
カイルは真っ直ぐに僕を見た。
「強くなれよ。 次は、お前が俺を助けられるくらいによ」
その言葉がどこまでも力強く、カイルらしいと感じた。
「……こっからだ!俺もお前もここから強くなるんだ!」
「ゔんっ!…強く、なる…!!」
カイルと合わせた拳が二人の決意を一層強くした。
(絶対に、強くなる)
もう二度と——
大切な人を、失いかけるような思いはしたくない。
そのためなら、何だってやる。
僕は拳を強く、強く握りしめた。
コメント
1件
うわあ、本当に良かった…カイルの無事が分かって思わず息を止めてしまいました。「強くなれよ」って言うカイルの台詞、あれがもう全部ですね。アレンが震えながらドアノブに手を伸ばすシーン、すごく心に刺さりました。拳を合わせるラスト、熱すぎます。続きが気になる…!