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身体中が痛い。
飲み過ぎた・・・・ボトル一本飲みきったんじゃないかと思うくらいに飲んだ。
熱い吐息と身体中の血液が沸騰しそうなほどの快感と痺れ・・・茂に別れを告げたはずなのに、この倦怠感はなんだろう、でも心地いいだるさだ。
重い瞼を開けると自然のままの黒髪に目を閉じているとわかる長い睫、1年前に海外事業部から異動してきた3歳下の後輩だ、女性問題で花形部署から異動させられたという噂があるが、一緒に仕事をしていてそんなダーティーなイメージはまったく湧いてこない。そもそも、秘書課が左遷ルートとも思えないからむしろ上役の誰かがこの大島賢一を欲しがったのでは無いかと思う。
茂とは対照的に女性の影を感じさせない人だが、決してモテない訳では無い。
しまった顔つきは正統派イケメンの部類な上に背もかなり高い。
そんな彼の腕の中にいた。
状況を確認する。
倦怠感・・・これは100%ヤッている。
現実逃避から時計を確認すると、一旦帰って着替えをするならもうギリギリだ。
この現状についてはあとで考えるとして、まずは帰ろう。
起き上がろうとすると、大島の腕に力が入った。
「もしかして、一人で帰ろうとしたわけじゃないですよね?」
「あの・・・うん・・・帰らないと」
「ここから出勤でいいでしょ、それにあと一つ残ってるから」
そいうと大島君にグイッと抱き寄せられ昨夜さんざん愛撫を受けたところにキスをした。
「大島君・・・」
「賢一でしょ」
結局残る一つのスキンを使用して、再度賢一の腕の中に収まっている。
「昨夜のこと覚えていないなんて言わせないですよ。とりあえずお試し期間として2ヶ月は雪は俺の恋人になることを了承したんですから、ガンガン行かせてもらいますから覚悟してください。それに、身体の相性はめちゃくちゃいいですよね。それは雪も異論はないでしょ」
身体の相性・・・それは・・・いい気がする・・・。
そもそも、出勤前までするとか・・・って
「時間!早く支度しないと」
慌てる私を余所に落ち着き払っている大島君にイラッとしながら急いでシャワーをして化粧を始める。
昨夜、BARで言いたい放題して、大島君と会って告白されたんだった。
移動して来たときから私のことが気になっていたらしい、ただ私には恋人がいたから気持ちに蓋をしていたところに私が茂と別れたということで弱っているところに付けいりますと言って告白してきたのだ。
さすがに、躊躇していたら2ヶ月間のお試し期間を提案してきて了承してしまった。
しかも、相性も確認しましょうとか言われてこの状況にいたる。
アメニティとして基礎化粧品がおかれていたのでなんとか化粧をすることができた。
最後にルージュを引いていると腰にバスタオルを巻いただけの姿の大島君がいつの間にか立っていた。
「口紅を付ける姿ってエロく感じますね、ってセクハラで訴えられそう」
「相手によるでしょ、大島君に言われたらセクハラに感じないもの」
それはよかったと言うと、後ろから抱き寄せられてキスをすると大島君の唇にルージュがついてしまった。
「賢一ね」そう言ってから親指で自分の唇についたルージュを拭う姿がセクシーで本に出てきそうと思うと胸がぎゅっとなった。
「さすがにそろそろ出ないと」
「そうだね、あと今夜は雪の部屋に行くね」
「え?」
「だって、元カレが来るかも知れないでしょ。ようやく手に入れた好きな人を取られたくないから。俺も結構あせっているんだよね」
かなりキッパリとした口調で断ることは出来ないと理解した。
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