テラーノベル
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夜が静けさを取り戻した頃、レンは牛鬼屋敷の縁側に腰を下ろしていた。
「……さっきは言いすぎたかな。」
ぽつりと漏らした言葉に、背後から牛頭丸の声が返る。
「いいんだよ、姫さん。思ってることは言わなきゃ伝わらねぇしな。」
馬頭丸が肩をすくめる。
「でもさ、相手はあの三代目だよ? 言葉ひとつで立場がどうなるか……って考えると、ちょっとハラハラするんだよね。」
「ふん、俺は気持ちよかったぜ! 姫さん、よく言ったってな!」牛頭丸は拳を突き上げて笑う。
レンは苦笑いを浮かべる。
「……ほんと、あんたたちといると楽だわ。」
二人は同時ににやりと笑った。
「当たり前だろ、俺たちは姫さんの影だからな!」
「そうそう!どこへ行ってもずっと一緒だよ!」
そのやりとりに、レンはようやく心の底から微笑むことができた。
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