次の日、いつも通り私は学校に向かった。
いつもと違うことがあるとしたら、
朝起きた時にあのクジラの声が聞こえなかったこと。
それよりクジラの鳴き声が普通の音より
鮮明に聞こえるのは何故だろうか。
普通ならモヤがかかって聞き取りずらいのに
クジラの声だけがすっと耳に入り込んでくる。
そう不思議に思いながら、私は線路を渡る。
もう遮断機が閉まる音がしていた。
そんなギリギリの線路を渡っていた。
途端、ドプンという音と共に体が沈むような感覚がした。
気づくと周りは水の中のような景色で、
周りを見渡していると線路内に空くんの姿があった。
昨日の夜見たあのパジャマ姿。
私が驚いて目を丸くしていると
「月は前世って信じるタイプ?」
そう呼び捨てで急に言われ、驚く。
空くんって見た目によらずグイグイ来るタイプ?
そう思いながらも空くんを見るが、
先ほどの質問に対す私の回答を待っているようだった。
それに、なんだか少し切なそうな目を私に
向けているような気がした。
前世。
テレビでも本とかネットとかでも
取り上げられたりしてるし。
私は..
「信じるかな」
そう呟く。
「そう..」
「じゃあこれあげる」
そう言いながら空くんは私に青い花を渡した。
瞬間、私は自分の部屋のベッドの上に居た。
さっきまで外に居たはずなのに。
夢かなと思いつつ、
手には空くんから貰った青い花があった。
それに、なんだか服が体が冷たく、
少し濡れているような感じがした。
これ..なんの花だっけ?
ふと時計を見ると遅刻寸前の時間が目に映る。
「やばっ!!」
ドタバタと家を出て学校に無事着く。
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ながい(#一ω一#)