※途中、性行為を匂わす描写があります
苦手な方は注意してお読みください
過ごしやすい気温になった昼前、シンクの水道を締め、長く伸びをする
今日は久しぶりの三連休、しかも休日出勤もない。なんて幸せな休日なのだろうか
昨日終わらなくて持って帰った仕事さえ終われば、それ以降は本当の休日
朝ごはんも食べたし、家事も終えたし、早速仕事に取り掛かろう…
そう思った瞬間、一人しかいないはずの家からドタドタと足音が聞こえる
……ああ、嫌な予感がしてきた
「Japan!暇だから遊ぼうぜ!」
リビングのドアを壊れるかと思うくらい勢いよく開け出てきたのは赤青サングラス…もとい、アメリカさん
彼はいつも、何処からか侵入しては構えと騒ぎ出し勝手に満足してどこかへ帰っていく
僕が流されやすくなければ、不法侵入で訴えているところだ
「またどっかから入ってきたんですか!?家中の鍵全部閉めたのに!」
「いや俺玄関の合鍵持ってるからちゃんと正面から入ってきたぞ」
ジャラジャラと取り出された鍵は少なくとも10本はあるだろう
何合鍵作っちゃってんの!?怖すぎるって!
「いやなんで合鍵持ってんねん同棲しとんちゃうぞ」
「関西弁になってるって…あ、まさか夫婦漫才のつもりか?」
「あんたと夫婦になったつもりないですよ」
ビジネスパートナーという意味では夫婦みたいなもんかもしれない、と浮かんだ思考を急いで掻き消す
そんな関係同人誌の中だけで充分だ!!
「じゃあ夫夫?」
「そういう問題じゃないですって」
「まさかこれから夫婦になろうってことか!?もー♡Japanってば大胆なんだからー♡」
そうだこの人思考回路狂ってるんだった。まあ”あの”イギリスさんの子だもんな…まともに取り合う方がおかしいか
だとしても勘弁してくれ
「もうやだこの人…暇なら家に帰ってイギリスさんとでも戯れてくればいいじゃないですか」
「ヤダ!あんなクソ親父よりJapanとがいい!」
ヤダってなんだよ五歳児か!268歳のいい歳した大人が駄々こねんなと怒鳴らなかった自分を褒めてほしい
「じゃあカナダさんは…」
「my broはウクライナと密会中だ絶対着いてくんなって言われた」
そっか逢瀬は邪魔できないな、他は……もう候補がいないや
こうなったら適当に思いついた国言っちゃお
「そうですか…じゃあロシアさ…」
「地球が裂けてもありえん」
「冗談ですから怒らないでくださいよ」
この調子だと僕が相手しないといけないのだろう
本当は仕事しなきゃだけど…早めに満足させて急いで片付ければ間に合うか
「はぁ…仕方ないですね…何して遊ぶんですか」
諦めた僕を見てやった!!と無邪気に喜ぶアメリカさん
しかし何するかまでは考えてなかったらしく、悩む素振りをして動かなくなってしまった
「………アメリカさん?」
生存確認のため肩を軽く揺する
揺れる刺激で動き出した彼を覗き込むと、彼の瞳が眠そうに溶けていた
「うーん…やっぱ眠たくなってきたから一緒に寝よ」
「気まぐれがすぎんだろ」
あなたが遊びたいって言い出したんでしょ…と溜息をつく
「というか私は3時間前に起きたばっかりで…」
「俺が眠いからお前も寝るの」
「人の話聞けって」
なんだその暴論は、自由の国は僕の自由を認めてくれないのか
「はやく…寝室行くぞ…」
ガシッと腕を掴み寝室へ向かおうとする
この力の強さ絶対眠くないだろ
「ちょ力強いですって…わかりましたから…」
大股で歩くアメリカさんの後ろを大人しく着いていく
抵抗してはいるけれども、心の奥では満更でもなく受け入れてしまう僕も良くないのだろうな
こうして腕を引かれるがままにベッドへと引きずり込まれてしまった。
……………気まずい
友達と寝るなんて、いつぶりだろう
たしか学生の頃にドイツさんとイタリアさんとお泊まり会したのが最後だっけか
まさか最新記録がこの人とになるとは思わなかったけど
シングルベッドに成人男性が二人、しかも一人は大柄、密着しなければ落っこちてしまうだろう
だとしても向かい合うのは恥ずかしすぎる
そう思い、背を向けて寝ようと上体を掴まれてしまった
強制的に向かい合う形になり、頭が彼の胸に押し当てられる
「ん〜Japanあったけぇ…」
「ご飯食べた後だからですかね」
最適なポジションを探して腕や足が這い回る
これは抱き枕代わりにされるやつだな
安定する姿勢を見つけたらしいアメリカさんが眠そうに欠伸をする
「ねむ…おやすみぃ…」
徐にサングラスを外し、ベッドサイドに置いたあと完全に瞼を閉じてしまった
「………寝てしまいましたか」
小さく寝息を立てる、あどけない寝顔はどことなく安心している様に感じる
かつては米帝と呼ばれ恐れられていたあのアメリカが、誰かの隣で無防備に寝ているなんて、他国からしたら珍しいとしか思えないだろう
「寝てる時は大人しくて可愛いんだけどな…」
普段サングラスで隠れている目元が惜しげも無く晒されている
黄金色の長い睫毛がキラキラ光り、彼の魅力が引き立てられてさらに眩しく感じる
今は見れないけどあの宝石のような碧い眼とのコントラストが綺麗なんだよな
「んぅ…Japan…」
「ふふ、夢でも僕に会ってるとか…僕の事大好きじゃん」
一体、夢の僕と何をしているのだろうか
幸せそうに眠るアメリカさんが幼子のように見えて思わず頭を撫でてしまった
「…僕も眠たくなってきた」
食後の眠気で、徐々に重くなる瞼に耐えきれず体が沈んでいく
「おゃ…すみ…なさい」
温かな体温に包まれて私の意識は夢の世界へと誘われていった
暖かな空間に一瞬潜り込む冷気
そして、大きな”何か”が自身に触れる
それは頬をつつき、頭を撫で…そして、首に小さな痛みが走る
誰か…いるのか?
朦朧とする意識の中で刺激の元を辿る
触れる手が擽ったかったのか目の前の彼は笑って私の手を取った
……ん?“目の前の彼”?
驚いて目を開けるとそこには甘ったるい顔をしたアメリカさんがいた
「Good evening,Japan♡」
そっと両頬に触れてきておでこに軽くキスを落とす
そうだ、この人と一緒に寝てたんだった
「おはようございます…今何時ですか?」
「正確にはわからんが、夕方だな」
「夕方……はっ!仕事!」
そうだ、後で片付けようと思っていたのに忘れていた!提出明日の朝なのに!今からやれば間に合うか?だとしても時間が無い!
急いで上体を起こしベッドを抜けようとすると、腰に腕が伸びて拘束されてしまった
「ちょ、離して下さい!今すぐ取り掛からないと…」
「ああ、それならやっといたぞ」
「は?」
驚く間に腰を引かれ向かい合わせに寝転ばされる
腕は未だ離してくれなそうだ
あの仕事、半日はかかる量なのに…この数時間で?
「日本がなかなか起きねえからよ暇だったし軽く片付けといた。意外とすぐ終わったぞ」
褒めて褒めてと犬のようにじゃれついてくる
あれ、僕のパソコンパスワードつけてたはずなのにな
まあ仕事してくれたからどうでもいいか
「何気に有能ですよねアメリカさん」
「俺様は天才だからな!惚れてくれたっていいんだぜ?」
「惚れはしませんけど、助かりましたありがとうございます」
「ちぇ、これでもダメか」
溜め息をついて、大袈裟に不満を表現する彼
これでもってなんだ全て計画してたみたいじゃないか
起き上がる気配もないまま寝転ぶアメリカさんが問う
「ところでJapan、明日休みだろ」
「そうですが」
何故僕のスケジュールを把握してるのかについては怖いから聞かないでおこう。合鍵作ってる時点で怖いし
「そんで今日ももうやることないんだよな?」
「仕事が片付いたのでそうなりますね」
「そうか、なら…」
先程よりも強く腕が体を締め付ける
そして私の股の辺りに硬いナニカを押し付けられた
「あ、アメリカ、さん…あの…」
「Japanなら言わなくても分かるだろ」
寝てるJapanが可愛いせいでこうなっちゃった♡と可愛こぶるように照れていたが、僕の耳は生憎一時故障中だったようだ
「いやいやいや無理ですって!こんなデカイの入らないですよ!」
「ヤることに関してはいいのかよ」
「あっ」
なに受け入れようとしてるんだ僕は!?アメリカさんはただの男友達だし?これもきっと朝(?)勃ちだし?生理現象だから仕方ないんだろうけどなんで僕に挿れようとしてるんだこの人は?
焦りすぎて頭が回らない僕の肩を掴み仰向けにさせたアメリカさんが、不気味なほどいい笑顔で僕を見下ろす
「じゃあ合意ってことだな!十分寝て元気だろうし、今日はもう寝かさねえぞ♡」
色欲に支配された瞳が体を縛り付ける
あ、これ逃げられないやつだ
さよなら、私の純潔。と心の中で覚悟を決め、流されやすい自分を悔いた。
閉め忘れたカーテンから眩しいほどの朝日が差し込む
小鳥の囀りと共に遠くからチャイムが鳴った
「は゛ぁい…いまいきます…」
こんな早朝に訪ねてくるなんて一体誰なんだ、まあいいや
鈍痛が駆け巡る体に鞭を打ち、何とかベッドから這い出ることに成功した
痛ましいほどつけられた情事の痕を隠すため、近くに落ちていたアメリカさんのTシャツを着て、玄関に向かう
扉を開けると、優しく微笑むイギリスさんが待っていた
「おはようございます、日本さん。こちらにアメリカは来ていますか?」
皺ひとつないスーツを着こなし姿勢よく挨拶する彼は今の僕と正反対で、寝起きで拝むには刺激が強すぎるようだ
「おはようございます…私の姿を見て分かりませんか」
「失礼しました。それにしても随分激しくされたようですね」
「気遣いの心ってものを教育してあげてくださいよ…」
呆れるように溜息をはくと、突然後ろから力強く腕を掴まれた
振り向くと不機嫌なアメリカさんが眠そうな顔でこちらを見つめている
「おい日本…勝手に居なくなるな…」
「すみませ…って、ちょ!引っ張らないで…」
イギリスさんが来てるんで!と抗議したものの、アメリカさんはそちらに目もくれず寝室に戻ろうとする
「今日も休みなんだから続きやるぞ」
「私もう限界ですって!!!」
有無を言わさないアメリカに腕を引かれ、部屋へ引き摺りこまれる
助けを求めるように伸ばされた右腕が閉まる玄関扉と共に姿を消した
「……空気扱いですか。日本さんも連れていかれてしまいましたし、また明日お伺いしましょう」
あの様子だと多分明日も出て来れないでしょうね。我が息子ながら元気すぎるのも問題だな、と遠くから聞こえる悲鳴を背に我が家へと歩を進めるイギリスであった。
こんにちは、初めまして。琥珀です
今まで読む専だったのですが、妄想が止まらず作品として書き上げてしまったので投稿してみました
これから不定期に妄想を投稿していこうと思います。至らぬ点も多くあると思いますが、よろしくお願いします。
コメント
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神様 降臨 。ようこそおいでくださいました 。最近 🇯🇵 受け が増えてきて嬉しゅうございます 。 これからも 頑張ってください 、フォロー失礼いたします 。