続き 赤愛され 通報×
あれからあの赤色のランドセルを背負って登校すると、あの時の出来事が嘘のようにみんな普通に俺に接してきた
きっとさとにぃたちが何かしたのだろう。
だから俺は今のところ問題なく、学校生活を過ごしている
そんな変わらない日を過ごしていたある日の朝、ななにぃが嬉しそうにみんなに報告してきた
紫)明日の夜、パパ帰ってくるって、!
橙)ほんま、?!
黄)やった~!
俺以外の兄たちはななにぃのように喜んでいた。
俺はどう反応したらいいのだろう。
会ったことのない父親に
全ての授業が終わり、帰りの支度をしているとあの時最初に話しかけた男の子
今ではクラスの中で親しい関係になった
その子がランドセルを抱えて俺の席にやってきた
もぶ)りいぬかえろ~!
赤)ぁ、うん
もぶ)今日公園行く?
赤)いや、今日はちょっと予定あるんだ
もぶ)予定、?なにあるの?
こいつは相変わらず失礼なやつだ
こんな風にグイグイと色々聞いてきて
適当に誤魔化そうとしたが、普通の人の反応が見たくて俺は隠さず話した。
赤)今日ち…パパが来るんだ、
もぶ)ずっといなかったの?
赤)うん、お仕事で…
もぶ)へぇ~、久しぶりに会えるんだね!
そう言ってにこっと笑う
あぁ、普通はこういう反応になるよな
俺もそいつのように笑って頷いた
玄関まで行くとじぇるにぃとるぅにぃが待っていた
もぶはじゃあねと手を振って先に帰って行った
橙)りいぬ帰ろ!
黄)僕たちの部屋掃除しないと、じぇるにぃが脱ぎっぱなしにするからぁ
橙)ごめんって~、笑
いつもはそこから喧嘩になっちゃうのに、今日は笑って謝るじぇるにぃとまぁいいですよ、と許するぅにぃ
やはり父親の存在は大きいのか、
家に着くと2人分の靴が並んでいた
黄)さとにぃたちはや、!
桃)部活休んできた~
青)へへ、
いつもはまだ帰ってきていないさとにぃたちもソファに座りそわそわしているようだった
俺だけがみんなと違う。
無理やりにも合わせた方がいいのだろうか
紫)お買い物行く人~?
青)あ、僕欲しいのある!
紫)は~い、あとは~…
ななにぃと目が合ってしまい、思わず驚いてしまった。
紫)りいぬくんも行く?
なんだかこの場に居るのが苦しいと感じてしまった。
俺は頷いて、ななにぃの手を握り買い物へと向かった
青)りいぬくんななにぃが好きなお菓子買ってきていいってさ~
紫)ちょっと~?まぁ、いいけどさ、笑
みんなのもお願いね?
青)はぁ~い、!
ころにぃとお菓子売り場に着き、ポッキーやらポテチやらグミやらみんなが好きなものを手に取る
俺は何が好きだったっけ、
青)りいぬくん知育菓子やってみない、?!
ころにぃが目をキラキラさせながらそれを持っていた
赤)やるっ、
青)やった~!じゃあパパともやろ!
パパってどんな人なんだろう、そんな俺の気持ちに気づいたのか、ころちゃんが口を開いた
青)パパはね、すっごく優しくてかっこよくて面白いんだよ~!
赤)そぅ、なんだ
青)例えるとねぇ…僕たちを合わせた感じ?笑
たしかに言われてみれば優しいななにぃのようなかっこいいさとにぃ、面白いじぇるにぃところにぃ…
青)それで漢字が苦手、笑
るぅにぃみたいだ、
青)怖い人じゃないから安心して、ね?
赤)ぅん、!
なんだかさっきより大丈夫になったみたい、
俺も楽しみになれたのかも
紫)じゃじゃ~ん、!
黄)お寿司!!
ななにぃが豪華な料理を食卓に並べた。
お昼から下ごしらえをしていたらしい
凄く美味しそう、
桃)パパまだかなぁ、
そうさとにぃが言ったその時、リビングにチャイムが鳴り響いた。
橙)パパやない、?!
紫)俺出てくるね!
ななにぃが玄関へ行くと、数秒後ななにぃの声と聞いた事のない男の人の声
それを聞いた兄弟たちは顔を明るくさせていた
桃)りいぬ来るか?
赤)ぁ、ぅ、
さとにぃに抱っこしてもらい、兄弟たちはリビングの扉の前で待っている中、俺とさとにぃは少し後ろに下がっている
気使わせちゃったかな、さとにぃだって前に行きたいはずなのに
怖くて無意識にさとにぃの服を掴むと、安心させるように頭を撫でてくれた
父)ただいま~!!
橙)パパ!
黄)おかえりパパ!
青)パパ~!!
みんな一斉に抱きつく、スーツ姿で大きなキャリーバックを持って、優しそうな爽やかそうなやっぱり兄弟たちに似ている。いや父親似なんだろうなみんなが
桃)パパ、おかえり
さとみくんの足が父親の方へと向かう
そして俺も自然に近づいてしまう
パパ)お~!さとみ、とりいぬぅ、!!
赤)んむっ、?!
父親が俺を捉えたその時、先程兄弟たちに向けていた笑みよりもものすごい笑顔になりさとみくんごと抱きついてきた
優しくて温かい匂いが俺の中を埋め尽くす
だが、そろそろ息苦しい
紫)パパりいぬくん潰れちゃう、!笑
パパ)おぉっと、ごめんなぁ、笑
ん~、やっぱりかわいいなぁ…!!
そう言ってスマホを向け何枚もシャッター音を鳴らす父親
さとにぃに似て…
桃)俺みたいって思っただろ~?
赤)ぅ″、
紫)も~!パパりいぬくん困ってるでしょ!
パパ)りいぬフォルダーいっぱいにしておかないと…
スマホに表示されたフォルダーには病室にいた頃から現在のものまでいっぱいあった
他にも兄弟たちのフォルダーがあり、この人は心から家族を愛しているんだなと感じられる
産んでくれた母親を殺してしまったのに
俺に向けられる笑顔が愛情が怖い
本当は俺の事どう思っているのか、
いっそのこと殴られ暴言吐かれた方が吹っ切れられるのに
紫)りいぬくんおはよ~
赤)んぅ…ななにぃ、?
紫)ななにぃだよ、にこっ
朝目を覚ますと、なんだか出かける様子のななにぃがいた
紫)俺とるぅとくんとじぇるくんちょっとお買い物してくるね
赤)ぅん、
紫)リビングにさとみくんところちゃんいるけど朝練あるんだって、パパと少しお留守番できる…?
赤)…へ、?
桃)りいぬおはよ!これりいぬの朝ごはんだって!
青)冷蔵庫にあるプリンるぅとくんがりいぬくんなら食べてもいいってさ!じゃあ行ってきます!
パパ)行ってらっしゃ~い!
土曜日の朝、いきなり父親と2人っきりにされた
息が詰まりそうだ。
パパ)よしっ、りいぬ朝ごはん食べるか!
実はパパも食べてなくて…笑
赤)そぅ、なんだ、
危うく敬語になるところだった
対面で食事をとる。
視線が空気が全て怖い
何とか食べ終わり、そういえばプリン食べてもいいと言われたから食べておかないと失礼かな
なんて思い、冷蔵庫からプリンを取り出しちょっとずつ食べていると父親が口を開いた
パパ)美味しい?
赤)うんっ
パパ)そっかぁ
赤)食べる、?
パパ)え、いいの、?
赤)こくっ
パパ)りいぬは優しいなぁ、にこっ
またあの時のように褒められた
これくらいで優しいなら、大抵の人みんな優しいじゃないか
そして父親はあることを口に出した
パパ)りいぬはママに似てるなぁ、
一緒にテレビを見ている時に不意に言われた
俺の頭に酷く響く、母親の話題が出て胸が締め付けられる
赤)そうなのっ、?
パパ)うん、可愛くて綺麗だった
そういえばこの家に家族写真がないことに今更気づいた
俺のせい、?
パパ)見るか?
赤)見たいっ、!ぁ、見たい、です…
つい勢いよく口に出してしまい、慌てて抑えるも敬語になってしまった
写真の中の母親らしき人は綺麗だった
俺と似ているのか、俺には良く分からなかったがみんな幸せそうだった
パパ)りいぬが生まれてきてくて本当に良かったよ
実はな、ママ体がどんどん悪くなっていて、りいぬを産めるか危険な状態だったんだ
最悪りいぬも死んでしまっていたかもしれなかった
パパ)でもこうして元気に生まれてきてくれた、本当に良かったよ、にこっ
赤)俺のせいじゃ、ない…?
今まで知らなかった真実
そういえば母親のことなんて誰からも聞いていなかった、もちろん父親もそんなに
先程俺が言った言葉に父親は酷く驚いていた
パパ)りいぬのせいだなんて誰も思っていないっ、!
もしかしてずっとそう思っていたのか…?
赤)ぁ、あのっ、!
秘密にしていようと思っていた
こんなことを話して、あの日々に戻ってしまったら、?
いまの幸せが崩れてしまったら、とずっと怯えていた
でもいまをもっと幸せに生きるためには、まずこのずっと呪いにかかっている心をどうにかしないと
俺は転生してもずっと変われないままなんじゃないか?
……To be continued
次回最終回、展開がとんでもなくなってしまってすいません!あと遅くなってすいませんでした!!
コメント
9件
ああああ私はこれを求めてましたありがとう感激感激謝謝😭😭😭🙏🏻
待ってください本当に大好きです😭😭 息つまりそうな赤くん本当にかわいい ... 😭
えーんほんとに好きです天才ですか? いややっぱほんとに律天才大好きですほんとに お父さん絶対イケメンすぎて惚れますねこれはもう がんばってきもち伝えようとしてる赤くんもまじえらいてんさい