ブックカフェ『はざま』は、世界と世界の狭間にある。 そして客は様々な世界からやって来る人ではないモノ。いわゆる「人外」と称される生き物だ。
どんな客が入って来ようとマスターは動じない。いつも変わらぬ表情で客を出迎え、用件を尋ねるのだ。
扉が開かれベルの音が鳴る。
「やぁ、二人共」
「いらっしゃいませ」
「こんにちは、千弦先生」
「エイムくん、何度も言うけど先生はよしてよ」
「だって僕にとっては先生じゃないですか」
「それは、まぁ、そうなんだけども」
「ご注文は、どうなさいますか?」
マスターの言葉によって、普段のやり取りが中断される。この方はすぐに本題に入る。なかなか無駄話をさせてくれない。
一方先生の方は気にする様子もなくお決まりの台詞を口にした。
「アップルティーで」
「かしこまりました」
テキパキとした手付きでアップルティーを用意するマスター。そして、席に着くなり鞄からメモ帳とペンを取り出す千弦先生。いつもの光景だ。
千弦先生はこの店唯一の常連で、客としては珍しい種族の人。趣味で小説を書いていて、僕にとっては憧れの存在でもある。
不意に二度目のベルの音がした。
今日はどんなお客様に会えるんだろう。
コメント
2件
待ってましたァァァ!!! 文だけでもオシャレな店内を想像出来てしまう、、、!! どんな子が来るのか楽しみ〜!
うおおお!来た!! ブックカフェ!