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歳を重ねる
自由少女
「誕生日おめでとう!」
そんな言葉に照れ臭さを覚える年になってきた。でも最近、誕生日の日なぜか違和感を感じる。不快感と言う方が正しいのだろうか。とにかく落ち着かない。
外に出て歩いているときに妙な生々しい感じがしたのだ。まわりの風景はいつもと変わらない。それどころか少し眩しい。自分自身が汚物のようなものだと感じた。それはきっと私が15歳になったことを認めていないからだろうと思った。世界が15歳になった私を拒否している。そう感じたのだ。明日にはきっと15歳の世界に馴染んでいるだろう。そう思った。だから明日になるまでこの違和感は消えないと思っていた。
夜に恋人からプレゼントを貰った。正直開けるのが怖かった。なぜだかは私にもわからない。でもせっかく貰ったのだから開けなければいけない。これは義務である。プレゼントを開けると、可愛いキャラクターがデザインされている毛布が入っていた。とても嬉しかった。一日中感じていた違和感が一瞬で消えていった。そして、私なりに答えを見つけ解釈した。誕生日プレゼントとはこの年まで生きてくれてありがとうという感謝の意味が込められているんじゃないかと思った。じっさいプレゼントを貰って感じたのだ。その瞬間に私も15歳になった自分を受け入れた。私は本当にめんどくさい人間だ。彼の前でも女の子らしく出来ないし、これからだって沢山迷惑をかけるだろう。そんな私を認めてくれてありがとう、支えてくれてありがとう、見ててくれてありがとう。15歳も楽しいことが沢山あるといいな。