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「…夢を見るのもいいが、現実を見なさい。少年。」
その日は湿気が肌にまとわりついている気持ちの悪い初春だった。
地べたに足をついて自分の涙が重力に従い、落ちるのをジッと無心で見るだけだった。
告げられた早めの終わりを心の中で燃やした。
母に謝られた時よりも燃えずらく、スライムのように心に纏わりついた。
不完全燃焼な気持ちで学校に向かった。
「来世は個性が宿ると信じて…屋上からの繝ッ繝ウ繝√Ε繝ウ繝?繧、繝」
ノイズに聞こえる。
気持ちが悪かった。無理やり飲み込んだ言葉が胃の中で煮込まれて、大きくなって逆流するような感覚だ。
夕焼けが綺麗だ。滲んでよく見えないけど。
下には下校で笑顔で帰る人や友達と笑う人…あ、かっちゃんもいる。別に憎いとは思わない。ここまで追い詰めたのは確かに君だけど僕は君を恨まないし君が僕を追い込んだとも遺書には書かなかった。
オレンジにはっきり見えるはずの君の顔は変にぼやけていた。
────昨日未明、〇〇市内の中学校で、緑谷出久さん(15歳)が自ら命を絶ったことが確認されました。警察によると、緑谷出久さんは長期間にわたる精神的な苦痛を抱えていたとみられ、周囲の人々や家族に対しても心のサポートが必要な状況だったと言われています。現在、詳細な原因や経緯については調査が進められています。