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ゆっちゃん
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コメント
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ああ、もうっ…最後の「ぐしゃ」って音、心臓に来ました。冬の冷たい空気やケーキの甘い匂い、アメリカのために苺入りのブッシュ・ド・ノエルを選ぶ日本の優しさ——そんな穏やかな幸せが一瞬で砕ける感じが、あまりにも残酷で美しかったです。慣れないブーツの描写が、危うさをずっと予感させてたんですね…続きが気になって仕方ないです。
ヒヤリとした風が頬を撫でる。
寒気がするほど、冷たい風。
ここ、東京の○○区は冬を迎えた。
こざっぱりした町はマフラーやコートを身に付けた人々で賑わっていた。
日本も、その人。
日本はふぅ、と一息。
白い息が漏れた。
多分気温が五度以下を下回っているせいだろう。
彼は履いているブーツをコツコツ鳴らしながら歩いている。
日本はブーツに慣れていないのか足が少しおぼつかない。
「ここら辺でしょうか」
ふと立ち止まったのは、この地域で有名な
ケーキ屋。
クリスマスケーキでも買うのだろうか。
日本は店内をじっと見つめている。
「あれ、ブッシュ・ド・ノエル…でしょうか」
切り株の形をした飾りっけのないケーキを目で追う。
「あれにしますか」
日本はそう呟くと、ケーキ屋の店内に入っていった。
いらっしゃいませー、と店員が言う。
日本は真っ先にカウンターに向かい、店員にブッシュ・ド・ノエル、一つください
と訪ねる。
はい、分かりました。
そう返ってくると、店員は手際よくケーキを箱に詰め始めた。
その間に、他の店員が会計を済ませる。
良く出来ている。
…まだケーキを詰め終わるのには時間がかかるようなので日本は会計を済ませ、他の商品を見ていた。
マカロン、カップケーキ、クッキー。それにショーケースに入っているアップルパイ。
どれもこれも美味しそうでよだれが垂れてきていた。
そのうち、ケーキの梱包も終わった。
後は、帰るだけだった。
家には 同棲している アメリカが待っている。
あいつは昔から甘いものにはうるさい。
そう第二次世界対戦の頃からの付き合いで日本はその事を熟知していた。
なので今回はホイップクリームだけのクリスマスケーキより、チョコクリームの塗ってあるブッシュ・ド・ノエルにしたのだ。
もちろん、ブッシュ・ド・ノエルにも苺が入っている。
その事も、日本がブッシュ・ド・ノエルにした理由だった。
『アメリカは昔から苺が好き』
そう、日本は勘違いをしていたから。
「~♪」
鼻歌を歌いながら 信号が青になるのを待つ。
横目に、先ほど買ったブッシュ・ド・ノエルの入った箱を見る。
今夜はこのケーキでクリスマスを祝うんだ。
そして二人でプレゼント交換して、それから。
そんなことを考えていると、信号が赤から青に変わる。
ふぅ、と日本の口から白い息が漏れだした。
鼻歌を歌いながら、そのまま慣れないブーツをコツコツ、コツコツ。
一歩、二歩、三…歩。
明日は何をしようか、 そうだ 。
久しぶりに2人で旅行に行こう。
そんなことを考えていると。
…突然、ブレーキのような音が耳の中に響いた。
かと思うと、ぐしゃ。
とよくわからない、 肉の引きちぎれるような音が、響いていく。
「…へ」
情けない声が漏れた。