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1人の女性…?
私はじっとゼルゼディス様の話に聞き入った。
「彼女は私を家に連れて帰ると、こたつという物に入れて身体を温めてくれました。
そして、彼女は私の事を”みゅう”と名付けてくれました。
みゅうみゅう鳴くからだそうですよ。(笑」
みゅう…
私はぼんやりとした前世の記憶を辿っていく。
確かに私はみゅうという子猫を拾った。
だけど…
確か、みゅうは…
「えぇ、前世の私を助けたのは、あなたです。
しかし、私は生まれつき心臓も弱かった為か、3日後には息絶えてしまいます…
あなたは最期まで私を抱きしめてくれましたね。
私は暖かいあなの腕の中で幸せに死にました。」
ゼルゼディス様は話を続けた。
「では、ここに転生したのも…?」
ゼルゼディス様の力で…?
「それは私の願いでもありますが、神様の計らいのようです。
私は死ぬ間際、あなたともう一度会いたいと強く願いました。
それを、猫好きの神様が感動して叶えてくれたようです。
まぁ、その辺の記憶は曖昧ですが、私はあなたを見た時に一目で前世の彼女だと分かりました。
それで、この一件を企てた訳です…」
ゼルゼディス様は全てを吐き出すように真実を話した。
「では、私の事を…」
「好きですよ…
いいえ、愛しています…」
「みゅうってオスでしたの…?」
「今それを言いますか!?」
ゼルゼディス様が笑いを堪えてそう言った。
「エシャロット…
どうか、今世では私と共に人生を歩んでくれませんか…?
あなたを、いえ、あなただけを愛し抜くと誓いますから…」
ゼルゼディス様は真剣な表情でそう言った。
「…もう浮気しません?」
「しませんよ…(笑」
「…私に隠し事しません?」
「もう全て話しました。」
「あなたと…
共に人生を歩んで行きますわ…」
私は真っ直ぐにゼルゼディス様を見てそう言った。
「ありがとう、エシャロット。
あなたが側に居てくれるなら、どんな事があっても私は平気なんです。」
ゼルゼディス様が微笑みながらそう言った。
「泣き疲れましたわ…」
私は言う。
「寝ましょうか。」
ゼルゼディス様も少し眠そうな顔をしている。
「ねぇ、ゼルゼディス様?」
「何ですか?」
「…猫の尻尾と耳はありませんの?」
「ある訳ないでしょ!
私は今世では人間ですよ!?」
「もふもふしたかった…です…わ…」
私はそう言って夢の中に入っていった。
「もふもふねぇ…?」
ゼルゼディス様が少し残念そうに笑ったのを、私は見る事は出来なかった…
そうして、波乱の1日は幕を下ろしたのだった。