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照が戻ってくるまで、あと二週間。
その日、支社では歓迎会の幹事を決める話になっていた。
🧡「めめ、買い出し手伝ってや」
🖤「はい!」
仕事終わり。
康二と目黒は近くの店へ向かう。
歓迎会で使う景品や飲み物を買い終え、会社へ戻る途中だった。
🖤「康二くん」
🧡「ん?」
🖤「一つだけ聞いてもいいですか」
康二は横を見る。
目黒は少し迷ってから口を開いた。
🖤「深澤さんの好きな人って……」
🖤「岩本さんですか」
康二の足が止まる。
数秒、沈黙が流れた。
目黒はそれだけで答えを察する。
🧡「……なんでそう思ったん」
🖤「見てれば分かります」
🖤「深澤さんが岩本さんの話をする時だけ、笑い方が違う」
🖤「岩本さんも」
🖤「深澤さんを見る目が、他の人と全然違いました」
康二は苦笑した。
🧡「鋭いなあ」
目黒は俯く。
🖤「やっぱり……」
康二は少し考え、静かに頷いた。
🧡「せや」
🧡「二人は付き合っとる」
その言葉が、静かな夜に落ちた。
目黒は目を閉じる。
胸が苦しかった。
でも、不思議と涙は出なかった。
全部、繋がったから。
🖤「……そっか」
🧡「ごめんな」
🖤「なんで康二くんが謝るんですか」
目黒は笑おうとする。
でも、少しだけ震えていた。
🖤「勝手に好きになっただけなんで」
────────
翌日。
目黒はいつも通り出社した。
💜「おはよう、目黒」
🖤「おはようございます」
笑う。
いつも通りに。
辰哉は何も気付かない。
💜「今日もよろしく」
🖤「はい」
その”いつも通り”が、少しだけ苦しかった。
────────
昼休み。
辰哉は資料を見ながら目黒へ声を掛ける。
💜「来週には照が戻ってくるんだ」
🖤「……そうですね」
💜「やっとだよ」
辰哉は本当に嬉しそうだった。
その笑顔を見て、目黒はようやく諦めがついた。
(敵わない)
(こんな顔、俺には向けてくれない)
好きだから分かる。
辰哉が一番会いたい人は、自分じゃない。
────────
仕事終わり。
目黒は一人、会社を出る。
夕焼けを見上げながら、小さく笑った。
🖤「失恋か」
短かった。
ちゃんと始まる前に終わった恋。
それでも。
好きになったことは後悔していなかった。
その頃、本社では。
照が支社へ戻るため、最後の荷造りを始めていた。
あと二週間。
二人が離れて過ごす時間も、いよいよ終わりを迎えようとしていた。
コメント
2件
ひーが、ひーが帰ってくる! でもめめ結構苦しいと思うなぁ
うわあ……このエピソード、静かに胸に来ましたね。目黒くんが康二くんに直接確認するところ、覚悟を決めたような口調なのに「勝手に好きになっただけなんで」って言うところが切なすぎる。それでいて、辰哉さんの嬉しそうな笑顔を見て「敵わない」と諦める流れ、すごく丁寧に描かれてて好きです。失恋の話なのに、後悔してないって言える強さが目黒くんの魅力だなあ。照さんが戻ってくるカウントダウンも始まって、これからどう動くのか気になります。