どぞ
ある日、いつも通り仕事をこなしていた。
ただ、変わったことがひとつある。それは、幼馴染の宮舘涼太に恋をしていること。
生まれた病院、幼稚園、小学生時代の習い事。
そして、高校、大学..
気付けば長い歴史がある。
お互いにとって、特別な存在ではなく、ただの「幼馴染」として過ごしてきた。
俺の中で何かが変わったのは大学の頃だった。
彼が無意識に見せる優しさ、笑顔、そして何気ない一言。
どれもこれも、俺を振り回すだけだった。
その頃から、俺は涼太を避けるように。
会えば何かしら言葉に詰まるし、ふとした瞬間に彼を意識してしまうからだ。
彼が優しすぎて、俺の気持ちがわからないだろうとわかってはいたけど、それでも好きだと認めたくない自分がいた。
『お疲れ様、翔太。』
今日も涼太がオフィスに入ってきた。
彼は、仕事が終わったあとも声をかけてくれるけど、俺はどうしても素直になれない。
「….おつかれ」
つい冷たく返す。
仕事をしている間、彼の顔を極力見ないようにしていたが、今はどうしても気になる。
俺の心臓が鳴る。胸が少し苦しい。
そんなの気付かれてしまうんじゃないかと思いながらも、何も言わない。
でも、そんな俺の気持ちはお構い無しに、涼太は普通に話しかけてくる。
『ねえ翔太。今日、飲み行こうよ。』
あぁ、また来た。
彼はすぐ誘ってくるけど、俺はどうしても気が進まない。
だって、誘われたらどうしたらいいか分からなくなるから。
「あ、いやっ、今日は..」
「「行きたくない」」そう言おうとしたが、言葉が上手く出てこない。
気まずくなるのが嫌で、ただ断るのも何か違う気がする。
『ほら、久しぶりに一緒に行こう?』
『さっきの報告も終わったし、気分転換に。』
涼太は軽く笑いながら誘ってくる。
ほんとにどうしてそんなに無邪気で優しいんだろ。
俺には到底真似出来ない。
涼太のその笑顔に、心の中がぐちゃぐちゃになる。
「….わかった。」
結局、俺は飲み行くことを了承してしまった。
いつもは「また仕事がある。」とか、仕事を言い訳に断るが、今日は仕事が終わった事を知られているため断れなかった。
でも、別に行きたくない訳では無い。
なんなら、行きたいぐらいだ。
『翔太、最近元気ない?』
涼太が心配そうに顔を覗き込んでくる。
その顔を見た瞬間、心の奥が傷んだ。俺の気持ちに気付いているのだろうか。
それとも、無意識に俺がどんなに悩んでいるのかを感じ取っているだけなのだろうか。
「….美味いな。」
誤魔化すように目の前にある物を食べまくる。
味なんかしない。食べてる感じもしない。
まるで空気を食べているような感覚。
でも、..怖いのだ。
涼太にこの悩みがバレて、失望されるのが。
『….そうだね、美味しいね。』
涼太が察したようにそう言う。
『あの、..いつでもいいから、教えてね。』
「なんだよ….」
『..ううん、なんでも、笑。』
本当はわかってる。
きっと俺が涼太のことで悩んでいるというのは涼太は分かってる。
だって、
『..』
「….食べねえの?」
『あっ、うん、食べるよっ。』
なんでそんなに悲しそうなんだよ。
..結局涼太は、お昼休みのほとんどを外を眺めボーッとしていた。
飯は最後に急いで食べていた。
「ごめん」
そう口に出そうとしたけど、不器用な俺は言い出せない。
その日の帰り際。
『翔太っ、!』
「定時で帰れる」
と、ルンルンで会社を出ようとした時、話しかけられた。
「ん、..なに?涼太。」
そう、宮舘涼太。
先程気まずくなったのに、俺になんの用があるのだろうか。
「今帰る所なんだけど。」とやっぱり素っ気なく返してしまう。
それでも涼太は、『..ごめんね。』と、呟き、目を向き直した。
『少しだけ時間頂戴。』
「….別に、いいけど。」
『ありがとう。』
気まずいとはいえ、もう帰るだけだし、仕事のことだったら私情を持ち込む訳にも行けない。
と、いうことで、聞くのが限界で、目を合わせないように聞くことに。
『….俺、最近少し思ったんだ。』
「なにが?」
これは、仕事の事ではなさそう。
きっと、さっきのお昼休みの時の出来事だろう。
『最近、翔太変だよ。』
『….最近じゃないか、大学の頃から、。』
ああ、避けてることについてか。
「適当に誤魔化そう。」と思い、口を開ける。
「いや、..別に、変じゃ、..」
『….ごめんけど、元気なく感じる。』
『ねえ..高校の頃の翔太はどこいったの、?』
「っ、..」
こんな俺に、なんでそんな顔出来るんだよ。
分かってるよ、俺だって。
涼太の事避けてるなって。
好きすぎるから、..過ぎるがあまり、避けてしまう。
「ごめん。」と、心の中では何回も言えるのに、実際には言えない。
実際は避けてばっかになってしまう。
『….無理だけは、しないでね。』
そういって、悲しそうに..なのか、軽く笑う。
その一言が俺の心を軽くする。
でも、その笑顔を見る度に、もっと苦しくなる自分がいる。
『じゃあ、そろそろ帰ろっか。』
そう微笑んで言って、早足で去る涼太の背中を見送る。
俺の中では、何も言わずにいたことが悔しい思いでいっぱい。
でも、今日は少しだけ、涼太と過ごせたことが嬉しくて、胸が暖かくなる。
次会うときは、どうなるんだろう。
ほんっとに意味わからんくて申し訳ない🌀
一応この作品、大体の物語をメモに書いているんですが..
そのメモが消えて奥底に眠っている記憶だけで書いてます😇(?
昼一緒に食べてる記憶とかないけど、書いちった🙄
まあ、メモを復元できるよう今試行錯誤中なんで、待っててくだせぇ。
じゃあ、ばばい!
(余談だけど最近誤字多すぎて泣きそう)
コメント
8件
面白い!続き待ってます~
すれ違い?最後じゃないですか。 続き楽しみにしてます!!