私の頭と口ではたくさんは喋れなかった。
すると、氷の部屋の氷でできた大きなドアが“ガチャッ”と言って開いた。
青い氷の中に青い髪の女性。
青だらけの世界でその人は唯一、
赤く燃えていた。
???「よぉ、起きたのか。ねぼすけ野郎。」
???「面倒を起こしてくれてよ。俺が出る羽目になったじゃねぇか。」
「きれい。」
???「あ?」
「赤い火。きれい」
???「ギィ様、彼女は言葉を話すのが苦手なようで…。」
???「ん、そうなのか。」
「ここ、どこ?みんな、どこ?」
ギィ「俺はギィ・クリムゾン。ここはー…そうだな、俺の家だ。で、こいつはミザリー。」
ミザリー「ギィ様のメイドでございます。」
「わ、わたし…は…ゆめ。み、みんながつけてくれた。」
ギィ「夢か 」
ミザリー「夢様、今日からよろしくお願いしますね。」
___め!
__ゆめ!!
バッと飛び起きた。
あれは…夢…?昔の…夢。
リムル「良かった…なんとか阻止できたな…」
ベニマル「えぇ…本当に。」
まだ頭が痛い。気持ち悪い、
リムル「大丈夫か?お前、また暴走しそうで…。なんとか寸前で止まったが…」
ベニマルがリムルの後ろでふぅ…っと息をつきながら刀を鞘に戻していた。
そうか、私はまた暴走しかけていたんだ。また…あの時のように。
夢「うッあぁッ…リムルぅ゙…(泣)」
涙が、止まらない。
泣けば泣くほど、声を出せば出すほど頭は痛いのに。止まらない。
リムル「よしよし、もう大丈夫だからな。」
そう言ってリムルは私を抱きしめながら背中を撫でてくれた。
ベニマル「はぁ…でも本当に良かった。ちょっと焦りましたよ…。」
夢「…ごめんなさい。」
ベニマル「いやっ!!そういう訳で言ったんじゃなくてですね!?」
ベニマルがまた焦っている。これはこれで面白い。
リムル「あんまりベニマルを虐めてやるなよ夢…」
リムル「ちょっと待ってろよ。夢、なんか食べ物取ってくるから。」
ベニマル「いや、俺が取りに行きますよ」
リムル「いや、ベニマルは仕事に戻ってくれ。ただでさえ祭りの後なんだ。仕事が山積みだろ?」
ベニマル「それは…まぁ…」
リムル「夢は俺が見るから大丈夫だって、他のやつにも伝えといてくれ。」
ベニマル「分かりました。」
リムル「それじゃ、頼んだ。」
リムル「ってことだから、ちょっとだけ待っていてくれ。すぐ戻る」
夢「うん。」
相変わらず頭は痛いし、しんどいけど一人じゃない。リムルが、みんなが周りにいる。きっと私が暴走したって大丈夫だ。
リムル「夢、粥と林檎取ってきたんだが、食えるか?」
夢「林檎食べる」
リムル「ん、」
リムるが林檎を私に差し出す。
それを手で持ち口の中に入れると、甘い果汁が口の中で広がってくる。
美味しい。冷たい。
火照った私の体は喜んでそれを食べた。
夢「リムル、」
リムル「ん?どうかしたか?」
夢「…。なんでもない」
リムル「そうか。」
少しの間、静粛が続いた。
…刻々と私の死は近づいてきている。
リムル「お前が寝ている間にギィから連絡があってな。」
夢「ギィから?」
リムル「明日、ここに来るらしいぞ」
夢「…そっか。」
リムル「すまんが、ここで仕事してもいいか?急ぎの用件がいくつかあってな。」
夢「うん、ごめんね、」
リムル「謝るなって、お前が悪いわけじゃねぇんだから。」
リムル「ここにはいるからなんかあったら声かけろよ」
夢「うん。」
リムルがここから離れない。
突然のギィの訪問。
そして、暴走状態がギリギリで止まるという異例。
何よりも私の感が告げている。
*もう駄目だ、*と。
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