テラーノベル
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その日は、珍しく親の機嫌が良かった。
俺の部屋に来るなり、
『今日は外に出してやろう。』
とか、にやにやしながら言ってくる。
俺の事閉じ込めてきたくせに。
…けど、面白そうだから、
一応は承諾した。
母の部屋に無理やり来させられるなり、
身なりを綺麗にしろとか言って、
俺のぼろ臭い服をはぎ取って、
貴族が着るような服を着せてきた。
ほぼ初めて見る景色は、
思ったより綺麗で、
思った以上に、優しいところだった。
挨拶をしたら、食べ物を分けてくれる
お店のおばちゃん。
明るい笑顔で挨拶してくれる、
小さな子供たち。
俺が色んなものに驚いていると、
父が、
『今からある場所に行く。着いてこい。』
と、また気持ち悪い笑顔で言った。
…何かがおかしい。
そう気づいた時には、もう遅かった。
『さぁ、やって参りましたっ!』
『オークション、開幕ですっ!』
…そういうことか、
綺麗にされた身なり、
綺麗にされた髪、身体。
…闇市場。人身売買。
だからか。…だからなのか。
邪魔者が、居なくなってくれるからか。
…期待なんて、しなければ良かった。
そりゃそうだ。
閉じ込めて、飯も殆どなくて。
風呂にも入れてもらえなくて。
服だって、着替えさせてもらえなくて。
分かっていたのに。、
おかしいって、思ったのに。
…こんな世界に、生まれて来なければ。
そんな後悔が頭の中を駆け巡る。
結局、買い手が決まってしまった。
いかにも俺を下心満載の目で見てくる
おじさん。
きっと、家に連れていかれれば、
ヤられる。
まだ、経験したことないのに。、
こんなくそじじいに奪われるとか
嫌なんだけど。
『着いたよ。♡』
と、気色悪い声と顔で言われる。
ふと、その家に目をやると、
うちのとは比べ物にならないほど、
大きな家で。
…普通なら、わくわくするはず
なんだけどな。
中に入ると、やっぱり、そこも大きくて。
俺の部屋まで用意されてた。
…そろそろ、俺の処女が奪われる。
…っ、嫌だ、嫌だ、っ、…
俺がビビっていると、そのおじさんは、
俺をベッドに押し倒した。
…あぁ、…始まる。
そう、確信した時だった。
…がちゃ。
扉の開く音だ。この部屋の。
扉から顔を出したのは、オレンジ色の
髪の…多分俺と近い年齢だと思う、
青年だった。
?『…旦那様。お客様がいらっしゃって
おります。』
『…今取り込み中なのが分からないか。』
?『…いらっしゃっているのは、○○会社の社長様です。』
?『今後の取引について、
相談したいと。 』
『…ふん、…。 』
『待っててね、?♡ 』
…良かった、
俺が安心した時、入ってきた執事がこっち
を見た。
…と思ったら、俺に紙を渡してきた。
そのあと、そそくさと部屋を
出ていってしまったが。
…せっかくだし、紙見てみるか。
ふたつに折りたたまれた紙 を開いた。
…そこには、
逃げろ。
そう、一言だけ。
たった一言だけ書いてあった。
…逃げるったって、何処に、…
逃げる場所も分からないので、
一先ず寝ることにした。
「、…すぅ、…」
逃げろ。
コメント
2件
人身売買、…ツイステ…。 絶対おもろいじゃん。 文章能力高すぎね? 分けてほしい、切実に。 あとアドバイスほしい。 次回も楽しみ!
ゆらち! お久しぶりですなっ✨