次に目を覚ますと、空はもうオレンジに染まっていた。いつの間にかベッドに運ばれたようで、寝ていたのは俺の部屋だった。ここ数日泣きすぎたのか体が怠い。動かすのも億劫で暫く天井を見ていると、控えめにドアをノックする音が聞こえた。
「失礼しまーす…あ、涼太くん起きた?」
「…ラウ兄さん…」
「うん。調子どう?」
「…体、怠い。」
「そっかぁ…うーん、熱あるかな…?」
そう言ってラウ兄さんは俺のおでこと自身のおでこに手をあてた。
「あー…熱あるかもねぇ…体温計持ってくるね。」
ラウ兄さんは俺の部屋を出て、また体温計を持って戻ってきた。
「はい、自分ではかれる?」
「…うん。」
体温計を受け取り熱をはかる。ぼーっとしているうちにはかりおわったので、数値を見る。
「何度だった?」
「…38.0」
「わお。結構な高熱だね。」
「…何で…」
「…ん?」
「何で、こんな体調崩しやすいんだろう…」
「…うーん、弱ってるから、じゃない?」
「…弱ってる…か…」
「うん。とりあえずどこか痛いとかない?」
「……胃が痛い、のと気持ち悪い。」
「…吐きそう?」
「…今は大丈夫。」
「そっか。…俺、涼太くんの様子を報告してくるから、何かあったら電話でもいいから。連絡してね。」
そう言ってラウ兄さんは出ていった。1人、今日あったことを思い返す。みんなが来てくれて、いじめられてたのがバレて、みんな悲しそうで…でも俺はまた優しいみんなをつき離した。…あ、胃が痛い。
「…っ、…ぅえ…」
やばい、吐きそう。せめてトイレに行かないと。そう思ってベッドから起き上がり、床に足をついた瞬間、目の前がぐにゃりと歪んだ。
「なに、これ…?」
平衡感覚を失い、その場に倒れ込んだ。思った以上に大きな音がしたので、3人が来るのは時間の問題だろう。どこか冷静な頭で考えてた瞬間、胃から熱が込み上げてきた。
「…ゔぇっっ、お゙えっっ…ごほっごほっ…え゙っっ…」
体に力が入らないため吐き気に抗うこともできず、床に戻してしまった。
「げほっげほっ…ゔ、ぇっ…い゙っ…!?…かはっ…」
吐いていると、今より強い痛みが胃を襲い、更に戻す。きつくて閉じていた目をあけると、目の前には嘔吐物に混ざった血液が見えた。
「は…っ、何、で…~っ…ごぽっ…お゙ぇっっ…」
疑問に思う暇もなく吐き気は襲ってくる。すると、バンッという大きな音と共にドアが開かれた。
「「「涼太くん!!!」」」
「…ぁ゙…っゔ…ぇっ…」
「涼太くん、血吐いている!」
「え!?、ちょ…涼太くん、俺のことわかる!?」
「…っはー…はー…分か、る…」
「…意識はあるな。めめ!救急車!」
「了解!」
こうして、俺は救急車で運ばれ、暫く入院することになった。
コメント
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続き楽しみにしてます!!!
涼太、もしかして重度の病気だったりして、、みんななら何とかしてくれるよ! 続き楽しみにしてます!