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「 影山裙。落ち着いた? 」
覗き込むようにしてそう聞くと影山裙はコクッと小さく頷いた。
「 ふふっ、もう少しでみんな来ちゃうけど … その顔じゃ練習なんて出来ないね 」
影山裙の目に溜まった涙を拭ってそう言うと、影山裙は分かりやすく落ち込んでからまた顔を上げた。
「 だ、大丈夫です … ! 」
影山裙は頑張り屋さんだなぁ。
でも影山裙もこんなにぐしゃぐしゃな顔なんて見られたくないと思うし、ここはちゃんと言わなきゃ。
「 今日は朝練休んじゃおっか 」
影山裙はショックを受けたようにまた顔を下げて落ち込んだ。
「 影山裙。影山裙は十分頑張ったんだから。今日ぐらいは休んでもいいんじゃないかな? 」
私は休んで欲しい一心で、ポケットからスマホを取りだして澤村さんにメッセ ー ジを送った。
「 ほら影山裙。保健室行こ … ! 」
手を差し伸べると渋々私の手を取り、ゆっくりと立ち上がった。
保健室に入ると、誰1人居なくてシ ー ンと静まり返っていた。
「 先生いないのかな? 」
何ひとつ物音なんてしないし、カ ー テンも全部開いている。
私は影山裙の腕を掴んで椅子に座らせた。
ただシ ー ンと静まり返った保健室に2人並んで座っている。
なんだかこの空気感が不思議と落ち着いた。
影山裙は楽になったみたいでもう苦しそうではなくなっていた。
「 影山裙が、そんなに溜め込んでいたなんて知らなかったな 」
ボソッとそう呟くと影山裙に聞こえてしまったのか、大きく目を見開いた。
その瞳は暗くなく、どこか揺らいでいた。
「 __ っ、花城さん … ! 」
影山裙はガタッと勢いよく立ち上がった。
どうして … そんなに驚いてるの、?
不思議でたまらなかった。
影山裙に目をやった瞬間にほっぺたが暖かくなった。
ほんのり暖かく、くすぐったい。
まるで何かが流れ落ちた感覚。
「 あ … れ … 」
私 … どうして … 。
「 花城さんっ、なんであんたが泣くんすか!! 」
私の体を支えるようにして心配そうに見つめる影山裙は眉を下げて、今にも泣きそうな顔をしていた。
苦しみは感じられないけど … 。
「 私も … なんで泣いてるか分からない … 。でも、影山裙が楽になったことがわかった瞬間、なぜだか涙が出ちゃって … 」
安心しちゃったのかな … 。
きっと、影山裙が解放されたことが想像以上に嬉しかったんだ。
「 はな … しろさん … 」
私の名前を呼ぶ影山裙を最後に、私は眠りについた __ 。
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