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第21話「いよいよ、映画が始まる」
7月18日(土曜日)。
映画館のベンチで話しているうちに、あっという間に時間が過ぎていった。
塁「そろそろ行こっか」
陽葵「うん!」
二人は立ち上がり、映画館の中へ向かった。
入口でチケットを見せる。
その先には、これから二人が観る映画――
『夏、君に恋をした。』のスクリーンがあった。
陽葵「なんか……本当に映画デートって感じするね笑」
言った瞬間、陽葵は少し恥ずかしくなった。
陽葵「……今のなし!😂」
塁「いや、俺も同じこと思ってた笑」
陽葵「えっ……」
また胸がドキッとする。
二人はスクリーンの中へ入り、指定された席を探した。
塁「ここだね」
陽葵「うん!」
並んで座る二人。
陽葵はポップコーンを膝の上に置き、ドリンクを手に持った。
映画が始まるまで、あと少し。
館内の照明が少しずつ暗くなっていく。
さっきまで聞こえていた周りの声も、だんだん小さくなっていった。
陽葵は隣を見る。
暗くなったスクリーンの光に照らされる塁。
「……近いな」
SNSで知り合って、DMをして、電話をして。
ずっと画面越しだった人が、今はこんなにも近くにいる。
それだけで、また胸がドキドキした。
すると塁も、こちらを見た。
目が合う。
二人とも少し照れて、すぐにスクリーンへ視線を戻した。
塁「……始まるね」
陽葵「うん……😊」
そして――
スクリーンに映像が映し出された。
青い海。
夏の空。
波の音。
映画の主人公・桜が、友達に誘われて海へ向かう場面から物語が始まる。
陽葵は夢中になってスクリーンを見つめた。
塁も映画を見ながら、時々隣の陽葵をちらっと見る。
楽しそうに映画を見ている陽葵の横顔。
その表情を見ていると、塁の胸にも自然と温かい気持ちが広がっていった。
「……一緒に来てよかった」
そう思った。
陽葵もまた、映画を見ながら思う。
「……塁くんと一緒に観られてよかった」
映画の中では、桜といつきの夏の恋が始まっていく。
そして――
二人の隣には、今まで画面越しでしか知らなかった相手がいる。
映画のスクリーンに映る夏の景色と、
隣にいる君。
どちらも、陽葵にとって忘れられないものになりそうだった。
いよいよ始まった、二人の初めての映画。
その時間は、ゆっくりと流れ始めた。
コメント
1件
陽葵ちゃんの「映画デートって感じするね」って言った後に照れちゃうところ、可愛すぎて胸がギュッとなった😭💕 塁くんも同じこと思ってたって返すの、さりげなく距離詰めてくる感じがエモい…! 暗いスクリーンの光に照らされる横顔をチラ見する描写とか、もう完全に恋する人の顔じゃんってドキドキしたよ✨ 2人の初めての映画デート、これからどう進展していくのか気になりすぎる〜! 次の話も楽しみにしてるね🌸
ミリス
956
290
脳てゃ
172