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髭の生えた鍛治職人)「よし、できた‼︎」
「フッ、この剣を大王様に献上するのは少し勿体無いな。」
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こんなことを言ってる王宮勤の鍛治職人、実は、結構偉い人、これまで数々の名作を作ってきた。
まさにドーソ王国には必須の職人。ドーソ王国がクジマ王国との戦いで魔法にも屈しなかったのは
彼のお陰と言える。ところが一転この鍛治士、所詮人間だ。
何が言いたいかって?そりゃ、欲はあるんだよな。それにしても強欲だ。
王様にあげなきゃいけない剣を、我がものにしようとしている。まぁただ、このおじさん、つっても29歳らしいが、まぁこの人は元々戦場に出ている。一応、軍の将校の一人らしいが、どれくらい強いかはわからん。とりあえずこの男の動向を観てみよう。
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(髭の男視点)
・・・そうだな、ただ盗んでは俺の職に関わる。
うーん。。。
そうだ、贋作を作ってやろうじゃねぇか!
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(???視点)
こうして、この鍛治職人が作った贋作、もうそっくりまんまなんよ、こりゃぁ、大王様もお気づきになれねぇだろう。
、、、え?俺が誰かって?
そうか、まだ名乗ってなかったか、うん、俺は今この鍛治野郎が盗もうとしてる剣だ!!
つまり「王の剣」よろしくな。なんで喋れるかって?
そんなん知らん、今はどっちかっていうと心の中の声なんだが、実際にこいつら人間にも話かけることはできるぞ。今したらどうあるか分からんから、やらんがな。
おっと、、自己紹介なんざしている間にもうすぐ決行らしいぜ?
大王様を前にして嘘つけるのか心配だけどな。もうすぐ玉座の間だ。っていうことで俺は黙るぜ!
またな!!!!
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黄金で作られた玉座に大胆に座るこのドーソ王国の現当主にして王の剣の所持者の予定だったこの男。
その名を「シュラプス・ドーソ7世」と言う。
その性格は少し、いや大いに狂っていて、罪人を宮殿内に招いては王の食事の時にギロチンのショーを開いたり、飯を振る舞ってやるといえば毒を盛る。そんな血も涙のない大王様に贋作を提供するのだ。
贋作だぞ?もしその場でバレでもしたら、即死確定演出が流れるだろう。間違いなく。
そんな彼の隣には四人の少年がいる。どの子もドーソ王国を代表する将校たちだ。
まだ若いがその実力は世界中から公認されている。まぁそんな将校の中の第2位が、これから贋作を提供する。
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「大王様、例の物が到着しました。」
例の物、それはつまり王の剣のことである。それを聞いたシュラプスは、まるで悪巧みをしそうな
少年のような笑みを見せた。実に不気味である。
この閉め切った玉座の間の重苦しい空気と妙にマッチしている。
「通せ」
たった一言、周りにいる全員が青ざめた。畏れのあまり皆が頭を下げた。
そして、主人公の登場だ。この重苦しい空気をなんとも感じずに、スタスタと玉座の前まで歩く。
この肝の座った態度に気に食わなかったのか、汚らしい髭のせいか。
シュラプスは静かだが、力強く言った。
「お前、なってないな」
だが、ここでひとつ、あの男の接し方において、問題がある。言葉が足りない。何がなってないのかしっかり話さねば通用しないのだ。この男には。
今回に関しては礼儀がなっていないと言いたいそうだ。
なにせ、この玉座の間に姿を現して一度もお辞儀や、自己紹介もしていない。
腹を立てるのは当たり前だろう。ただ、話が通じないとは恐ろしいことだ。
「それは、どういう意味だ?」
意味が通じてない上に、目上の人に対してましてや自分の国の大王様に向かって、
敬語のけの字も使っていないのだ。
シュラプスは、怒鳴りそうな勢いであった。が、そこを抑制し、冷静に声を発した。
「もう良い、今すぐ下がれ。」
最大限の心遣いであった。下がれば許す、そんな感じだ。だがしかし、
何度も言うが話が通じないとはなんと恐ろしいことか。
「その前に、この私の自信作をご覧あれ。これを大王に献上したく。ここにやってきた次第だ。」
そう言い残して贋作の方を置いて玉座の間から立ち去った。
玉座の間に残るのは、先刻より増した重苦しい空気と、
中央に置かれた「王の剣(贋作)」であった。
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(フフフ、、、大王め嵌ったな)
続く