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パン粉
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コメント
1件
ケアテイカーのキャラ感好きすぎる😭🥺🥺🥺🥺🥺
訓練場。
人が多い。とにかく多い。
タウントはいつものように軽口を叩きながら輪の中心にいる。
「だからそれじゃ遅ぇって。ほらこうやんだよ」
調子はいい。
いつも通り。
――そこへ。
「タウントさん」
静かな声。
振り向いた瞬間、空気がざわつく。
白衣姿のケアテイカーが、訓練場のど真ん中まで歩いてきている。
「え、先生きた」
「珍し」
周囲の視線が一斉に集まる。
タウントの嫌な予感センサーが全力で鳴る。
「……なに」
ぶっきらぼうに言うが、声がわずかに硬い。
ケアテイカーは少し息を整えてから、真面目な顔で言う。
「本日、無茶をなさらないとお約束いただいたはずです」
「してねぇよ」
「先ほど三メートルほど吹き飛ばされていましたが」
「ノーカンだろあれは!」
周囲から笑い声。
ケアテイカーは一歩近づく。
「怪我はございませんか」
「ねぇって」
「本当に?」
「本当」
「……嘘をついていらっしゃる顔です」
「は!?」
距離、近い。
ざわ……ざわ……
「先生ガチ確認入ってる」
「これ例のやつ?」
「やめろお前ら」
タウントの顔がじわじわ赤くなる。
ケアテイカーは周囲など気にせず、そっとタウントの腕を取る。
「じっとしてください」
「おい、ここ外!」
「診察に場所は関係ありません」
そう言って袖を少し捲る。
「ちょ、待っ……!」
周囲が盛り上がる。
「公開イチャつきだー!」
「うわタウント逃げろー!」
「逃げねぇし!!」
でも逃げない。
ケアテイカーの指先が腕をなぞる。
「……少し腫れています」
「え」
「無茶はなさらないでくださいと、申し上げました」
声は優しい。
でもほんの少しだけ、寂しそう。
「あなたが傷つくと……」
ぴたりと止まる。
周囲が静まる。
「……私は、とても心配になります」
完全沈黙。
タウント、思考停止。
「……は?」
「先日も眠れませんでした」
「ちょ」
「タウントさんが大怪我をなさる夢を見てしまいまして」
「待て待て待て」
顔、爆発寸前。
周囲。
「えぐい」
「それ好きなやつの発言」
「先生重い愛」
「違ぇ!!」
タウントが叫ぶ。
「違くねぇだろ!」
誰かが即ツッコミ。
ケアテイカーはきょとんとする。
「違うのですか?」
「違わねぇけど!!」
言ってしまった。
一瞬の静寂。
そして――
「今の聞いた!?!?」
「認めたぞ!!」
「タウント終了!!」
爆笑と歓声。
タウントは両手で顔を覆う。
「無理……帰る……」
ケアテイカーは慌てて彼の手を取る。
「お待ちください」
「触んな今!」
「ですが」
ぐい、と引き寄せられる。
予想外の力。
タウントはバランスを崩し、ケアテイカーの胸元にぶつかる。
「っ!」
周囲大歓声。
「ドラマ!?」
「やば!」
ケアテイカーは真っ赤になりながらも、しっかり支える。
「大丈夫ですか」
「大丈夫じゃねぇ!!」
タウントの声が裏返る。
「なんでお前平然としてんだよ!」
「平然ではございません」
耳、真っ赤。
でも逃げない。
「……皆様の前で申し上げるのは恥ずかしいですが」
周囲が「お?」って空気になる。
タウントが首を振る。
「言うな」
「ですが」
「言うなって!」
ケアテイカーは真剣な目で、タウントを見上げる。
「私は、あなたが大切です」
完全終了。
タウント、フリーズ。
三秒後。
「……」
四秒後。
「……帰る!!」
その場から走り去ろうとするが、手はまだ握られている。
「離してください」
「嫌です」
「なんで!?」
「逃げないでください」
周囲から拍手。
「いいぞ先生!」
「タウント捕獲成功!」
タウントはついに膝から崩れ落ちる。
「……公開処刑……」
ケアテイカーは心配そうにしゃがみ込む。
「具合が悪いのですか」
「お前のせいだ……」
「なぜですか」
「好きな相手にあんなこと言われて平常心保てるわけねぇだろ……」
また、言った。
静まり返る訓練場。
「……好き?」
ケアテイカーの声が震える。
タウントは顔を覆ったまま叫ぶ。
「聞くなぁぁぁ!!」
歓声と冷やかしの嵐。
公衆の面前で、完全敗北。
でも――
握った手だけは、最後まで離さなかった。