「はあ、はあっ…誰か、誰か…通報を。警察に…通報を。」
東京23区の東部に区分される足立区で、
最も賑わう街、北千住。
その繁華街を走る大通りを、
血まみれの少女の死体を抱いた中年の男が、
虚ろな目、覚束ない足取りで歩いている。
「ねぇ、あれって…本物じゃないよね?」
「バカ!あんなリアルな人形あるかよっ!警察だ!早く警察に通報!」
休日を楽しむ恋人たちや家族連れが振り返り、
理解が追いつかない異常な光景を眺めている。
その間に――。
「だ…誰か、手を貸してくれ…!まだ…あそこに、女の子が…!」
中年の男は息も絶え絶えに呟いて、
少女の死体ごと地面に倒れこんだ。
「きゃあああああああっ!!」
男の名は、木葉梟 葦切(このはずく よしきり)。
葦切(よしきり)は勤務先や近所でも真面目と評される、
どこにでもいるようなサラリーマンだった。
だが、ある日―**********
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