更新遅すぎて死ぬ
ごめんね
家族でスイカを食べ始める。でも少し異様なのは。
「このスイカみずみずしくて美味しいねぇ。歯がなくても食べられるよ。」
祖母が居ること。これは絶対におかしい。だって祖母は、あの時死んだのだ。冷たかった。目も開かなかった。手も動かなかった。呼吸をやめていた。なのにいま、私の前には祖母が居る。
もしかしたら、今までが夢?祖母が死んだのも、触手に襲われたのも。目玉を潰したのも、腕に怪我をさせられたことも。タマネさんが私の腕を治したのも。それもこれも、全部夢? 信じられるわけがない。ずっと夢を見てたなんて、信じられるわけがない。でも、心の中で縋ってしまっている私がいる。私の、祖母に会いたいという願いが叶っている。あぁ、どうしよう。本当に弱いな。覚悟してたのにな。何があっても止まらないって。でも、私はこれを現実として受け入れたいって、思ってしまっている。本当に、弱いな。
ダメだ。もう、私の心が折れそう。これ以上は、耐えられない。多分、このままこの世界にひたってしまう。この腐ったぬるま湯のような、わたあめみたいな悪夢に。
何か。何かきっかけさえあれば。
「佳寿葉ちゃん。何か悩み事?」
あ。
「黙れ。」
「……佳寿葉、ちゃん?」
「祖母はそんな事言わない。」
私が気にしている様子があるなら、あの人は私に必要以上に関わらない。何故か?年の功と言うやつだろうか。それとも私の祖母だからか。私の性格をよく理解している。私はよく面倒くさいと言われる方の性格だ。機嫌が悪い時は関わって欲しくないし、機嫌がいい時はあまり余計なことを言って欲しくない。まぁ、基本的には一人がいい性格だ。今の社会では、かなり不都合な性格をしている。でも、今は助かった。
この状況で、ここが夢だと判断材料にできる。
「あなた、何がしたいの。」
「……」
「答えて。」
「痛っ」
頭にピリッとした痛みが走った。目が覚めると、夢を見る前に見た橋に倒れていた。
「やっぱり夢だった…」
「どうして。」
凛とした声が響いた。タマネだ。
「どうしてあの夢から覚めたの。あの夢の中なら、君は__」
「あんなの祖母じゃない。」
「私が会いたいのは、あんな偽物じゃない。」
タマネは驚いた顔をしていた。
「驚いた。まさかそこまで断言する人間がいるにゃんてね。」
「僕が見せた夢に浸って、諦めた人だっていたのに。君、随分覚悟があるんだね。 」
「当たり前。それが一番大事だもん。」
「そう。じゃあ通してあげる。」
タマネは不敵に笑って宣言した。
「せいぜい、会えるといいね。お婆さんと。」
「うん。がんばる。」
右頬が痒い。
僕は呆れながら、そこに居る妖に声をかけた。
「どうするの。あれはにゃみ大抵の人間じゃにゃい。僕ですら無理だったんだよ?」
声をかけて現れたのは、頭部だけが欠如した和服を着た男だった。その男からは口もないだろうに声が聞こえてくる。いや、男からではない。空から聞こえてくるのだ。
「俺に聞かれても困る。最終決断は俺じゃない。」
「あーあ使えにゃーい。」
「おいおいお前な。中間管理職は大変なんだぞ。」
「そんにゃの僕の管轄外だし。」
「お前ほんとに……」
笑う妖達が見ていたのは。
少女か。龍眼か。
コメント
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めろ…タマネ様自由奔放すぎてすき
今回もめちゃくちゃ良かったよ!!!! 無理せず自分のペースが一番だから 気にしないで大丈夫だよ〜!!! どちらが夢なんだろうね…? あら!あの子は自分の事も祖母の事も、 ちゃんと分かってるみたいね!!! 凄く覚悟を持ってるなぁ… あれ程までの覚悟を持ってる人だったら 大切な物の偽物は嫌だろうね… 中間管理職が…ね…うん!!!(?) 次回も楽しみに待ってるね!!!!