コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「あんた今日流星群見れるんだってよ」
大学2年生の夏、母のそんな何気ない一言からあの頃の日々を思い出す。
中学2年生の僕はその日もいつも通り窓の外の入道雲をただ眺めていた。
「はい、それでは転校生の発表します」
先生が朝の会に入ってくると同時に発した一言。教室が一気にザワつく。様々な予想が飛び交う。そんな中、彼女は眩しいくらいの笑顔と長い髪をなびかせながら、男子たちの予想に勝るとも劣らない綺麗な容姿でそこに立っていた。
「小野寺結衣です!よろしくお願いします!」
「じゃあ小野寺さんは空いてる席座って。」
こんな時、物語の主人公ならきっと僕の隣が空いているだろう。しかし、現実は残酷だ。
僕の席とは反対側の空いてる席に彼女は座った。
これが僕の初めて小野寺結衣を認識した瞬間だった。