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最近、ないこが….
“異常なほどに可愛い”
翌朝。
キッチンに立つないこは、まだ少し眠そうで、 前髪がいつもよりふわっとしていた。
「……まろ、おはよ」
小さく欠伸を噛み殺しながら、振り向く。
その瞬間。
(……あかん)
ゆるい部屋着。
少し赤い目元。
それに、何より….
「……?」
首をかしげる、その仕草。
「…どしたの」
「いや…」
「なんでも、ない」
そう言いながら、距離が縮まる。
「ま、まろ?」
ないこが言い終わる前に、
まろはそっと腕を伸ばしていた。
ぎゅっ、と。
強くない。
逃げられる余地は残したまま。
「…」
一瞬固まって、
でも抵抗しなかった。
「ど、どうしたの」
胸元に顔が埋もれて、声が少しこもる。
「…可愛すぎや」
「朝からそれは反則やろ」
「な、何もしてないよ…俺」
言いながらも、
ないこの手は、行き場を失って迷っている。
「…離れたほうが、いい?」
「嫌なら、すぐ離すで」
「…」
ないこは、数秒考えて。
そっと、服を掴んだ。
「…ちょっとだけなら」
「ほんま?」
「うん」
それ以上は、何も言わない。
ただ、同じ温度を確かめるみたいに、
静かに抱き合う。
「ないこ」
「……なに」
「俺な」
「こういうの、我慢してるだけで……
別に、余裕なわけちゃうから」
「……」
「せやから、 あんまり無防備でおらんで」
「それ、忠告?」
「半分お願い」
そう言って、
まろはようやく腕を離す。
「朝ごはん、冷めるな」
「うん」
可愛いと言われ慣れてないないこは頬が少し赤かった。