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雲雀side
夏祭りから1週間。
KNTから【駅集合】とだけメッセージが
届いた。
なんだよ。
空いてなかったらどうするんだ。
そう思いながらも【分かった】とだけ
返事をして 支度をする。
この1週間、やり取りはしてたし
電話もちょくちょくしてた。
電話って言っても宿題やろーぜって
KNTに言われてダラダラとしたくらい。
早く会いたくて少し早歩きになりながら
駅まで歩く。
駅に着くと壁によりかかりながら
携帯をいじってるKNT。
気づかれないように⋯
そっと近づいたつもりが 気づかれていて
「よ、ひば」と普通に 挨拶をしてきた。
つまんな!
渡「⋯はよ。なにどこ行くの?」
風「まぁまぁ、慌てない慌てない」
ドッキリが不発に終わって
不完全燃焼な俺はKNTを急かすように
目的を聞いた。
なのに教えてはくれない。
着いてきて。と俺の前を歩く
KNTに俺はついて行くしかない。
熱くね?やべぇね。とか俺が
そんな反応しないのに1人で話してる。
こいつのメンタルやべぇな。
風「はい、乗るよコレ」
駅から少し歩いて、到着したのはバス停。
渡「は?なに、バス乗んの?」
風「うん、嫌い?バス」
渡「そういう訳じゃない」
バスに乗ってどこに行くかが
聞きたかったんだ俺は。
数分してバス停にバスが来て乗り込む。
風「ひばはこっちね」
と窓側に座らされる俺。その隣にKNT。
⋯近い。
いつも以上に近い。
ドクドクと心臓が動いてる。
このこと聞こえてるとかねえよな?
大丈夫だよな?
隣にいるKNTを無駄に意識して、
また俺は顔が熱くなるのが分かった。
しばらく、走っていると開いていた
窓から香る潮の匂い。
渡「⋯海?」
風「おっ、わかった?」
渡「だって⋯ほら」
日の前に広がるのは、青い海。
海が見えてすぐのバス停で降りて、
またKNTについて行く。
そうすれば崖?のような所について
「おいで」なんて呼ばれるから隣に行けば、
一面に広がる海。
太陽に照らされて光る海。
渡「うわ!すげぇ!」
海とか何年ぶり。
こんな綺麗だったっけ。
風「はは!やっぱり、
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎その反応すると思ってた」
渡「んぇ?」
風「んーん。その顔みたくてさ」
ひばの笑ってる顔好きなんだよね。
なんてキザなことを言って。
また俺をドキドキさせる。
好きでもねぇやつに簡単に「好き」なんて
言うなよ!
勘違いされるぞ!俺みたいに。
風「ここさ、俺よく来るんだよね」
キラキラ光る海を眺めていると、
同じように眺めているKNTが喋り出した。
風「嫌なこととか、嬉しいこととか
︎ ︎ ︎ ︎ ︎とにかく何かなあった時は
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ここに来るんだよね」
渡「⋯ふーん」
風「え?!そんだけ?!反応薄!」
渡「んー、いや。意外だなって思っただけ」
風「⋯意外?」
渡「うん。だって、悩みとかなさそうじゃん」
そう言うと、少し寂しそうな
悲しそうな顔をして笑った。
風「悩みくらい⋯あるよ。僕にも。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎振り向いて欲しいやつに
︎ ︎ ︎ ︎ ︎振り向いて貰えないとかそんなこと」
振り向いて欲しいやつ⋯
それは俺?
⋯なわけないか。
だったら⋯
渡「誰?」
風「んー、今は言わない。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎いつか教えてあげる」
渡「なんだよそれ⋯気になる」
風「はは、大丈夫、いつか絶対言うから」
俺には言えねぇやつかな。
女かな。
誰だろう。
ダメだ。気になってしょうがない。
風「⋯ひばはさ、無いの?悩み」
黙った俺に今度はKNTが質問をしてきた。
渡「⋯あるよ」
ある。ありまくり。
渡「俺も、振り向いて欲しいやつが
︎ ︎ ︎ ︎ ︎振り向いてくんねぇの」
風「そっ⋯か」
なんだよ。
なんでお前がそんな顔すんだよ。
風「⋯まぁ、お互い振り向いて貰えるように
︎ ︎ ︎ ︎ ︎頑張ろうぜ?
︎ ︎ ︎ ︎ ︎そんで振り向いて 貰えたら報告!」
一瞬だけ悲しい顔をして
次の瞬間にはいつものKNTに
戻っていて変なことを提案してきた。
渡「⋯はぁ?嫌だよ」
風「なぁんでよ!いいじゃん、ね?ひば」
グッと肩を掴まれて見つめてくる。
はぁ⋯。
渡「⋯ん。分かった」
俺、その顔に弱いんだよね。なんか。
KNTの好きなやつってどんなやつかな。
KNT⋯。
俺、お前が好きだよ。
なんて、いつか言える時が来んのかな。
よっしゃ!と喜ぶKNTを横目に、
俺は海へと視線を戻した。