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17号「やったか。この街の飲食店や食料品店を破壊し尽くしたら、今日は帰るとしよう」
孫悟飯「待てっ!」
17号「何っ!? 貴様、まともに食らったはずじゃ……? それに、さっきまでとは、髪色や雰囲気が違うな」
孫悟飯「これはスーパーサイヤ人。初めてなれた時に、パッと思い浮かんだ名前だけど……。通常の状態では、ダメージを受けてしまうと思って、とっさに変身したんだ!」
17号「なるほど、面白いなぁお前。だが、せっかくカッコ付けた手前悪いが、俺の戦闘力には若干劣るみたいだ」
孫悟飯「どうして街まで破壊する? お前たちの目的は、人間じゃなかったのか?」
17号「一人ずつ捕まえるなんて、面倒じゃないか。飲食店を潰してしまえば、食糧難になったお前たちは、自ら俺たちの研究所に向かってくれるだろ」
孫悟飯「そういうことか」
17号「その代わり、至る所に充電器を設立する。そうすれば、充電しながら働かせることも、できるようになるからな」
孫悟飯「お前たちにも、考えがあることは分かった。でも、多くの人はそうなりたくないと思う。だからせめて、選ぶ権利を!」
17号「権利権利うざい奴だなぁ! そうだ。『自分を斬ってくれ』とか言う、謎のモヒカン頭から奪った剣があったんだ。これを試してみるか。剣なんて、男のロマンだよな」
孫悟飯「本物の剣! まさか、本当にやる気なのか!?」
17号「ああ。別に、誰も殺すなとは命令されてないからな。反乱分子を未然に防ぐ、いい機会だ」
孫悟飯「じゃあ僕も、さらに変身する必要があるな」
17号「何っ!? お前まだ変身できたのか?」
孫悟飯「あと3回ほどね。はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
17号(ちょま! えぇーーー!)
悟飯が気を高めると、辺り一面のアスファルトが、悲鳴を上げながら崩壊していった。
その後、突発的に砂塵が吹き荒れたかと思うと、中から現れたのは、より激しく逆立つ金髪をした悟飯だった。
体に纏っているスパークは、どれほど頑丈な素材に守られた機械でも、瞬時にショートさせてしまうような鋭さを放っている。
孫悟飯「これがスーパーサイヤ人2だ。さあ始めようか!」
17号(いやいやいや。もうこの時点で勝てないんですけど! こんなの、どうしろって言うんだ……)
孫悟飯「なんだ。来ないのか?」
普段は冷静な17号の声色が、少し上ずる。
17号「そ、そっちこそ。まさか……俺を人質にとろうってのか!?」
孫悟飯「いや、そんな卑怯な真似は鶴仙流に反する! 僕は、自分から攻撃しない・左手の人差し指以外は使わないという、師匠との約束を守っているだけだ」
17号(はっ? コイツ何を言ってるんだ? 全く意味が分からないぞ。俺がバグったのか? いや違う……どう考えても、バグっているのは、この人間の脳だ!)
17号「お前、その師匠との約束とやら、実戦で守る気なのか?」
孫悟飯「そうだ! 本当は変身もダメだったんだけど、僕がお前に負けないよう、スーパーサイヤ人2までは許してくれたんだ。せめて他の二つは守らないと」
17号(どういうことだ? コイツの師匠は何を企んでいる? もう少し探る必要があるな)
17号「なぜお前の師匠とやらは、生死を分ける実戦において、そんなハンデを課する?」
孫悟飯「それは、僕がまだまだ弱いから。強くなるためには、ハンデを背負って、工夫しながら生きる必要があるからだ」
17号(ははぁ、なんとなく読めてきた。その名ばかり師匠は、コイツを丸め込んで利用してただけの、俺たちと同じ悪だ)
17号(都で破壊活動を行う俺を倒す気がないどころか、コイツと俺に決着のつかない戦いをさせ、どちらも厄介払いしようとしている)
17号「お前は、その師匠のことを尊敬しているのだな?」
孫悟飯「ああ。師匠は唯一、弱すぎて誰からも相手にされない僕に、居場所を与えてくれた人だ。恩返しするのは当然」
17号(コイツもしかして、ハチャメチャに頭が弱いんじゃ……うまく立ち回れば、この場から逃げられる気がしてきたぞ!)