「ぐっ…!数が多い…」
変異種の他にも、強力な魔獣がこの拠点を襲撃していた。
いつまで持つかもわからない、皆限界だった。
怪我人の治療も追い付かない…!
「ニグさん!」
あふぇさんの声に俺は振り向く。
魔獣が俺に向かって爪を振りかざしていた。
あ…これ間に合わな…
俺は目を瞑る。
「……………?」
いつまで経っても痛みを感じない。
俺は恐る恐る目を開ける。
「う…!」
そこには魔獣の攻撃を受け止めるおどろくさんがいた。
「おどろくさん…!?どうしてここに」
「それは後で…!それより今はこいつらを倒さないと!」
そう言うとおどろくさんは次々と魔獣達を倒していく。
え…つよ…
俺は呆然とその様子を見ていた。
「はあ~~~~~……………………」
おどろくさんはテーブルに突っ伏する。
「疲れた…」
「ひとまず乗りきった…」
「ですね…変異種は逃げていっただけなので、安心はできないですけど…」
「それで…どうしてここに?」
あふぇさんがそう聞くと、おどろくさんは悲しそうな顔をして俯いた。
「実は」
おどろくさんの話を聞いて俺たちは絶句する。
「そんな…さもさんたちが?」
あんなに強い二人が…
「その…さっき少しだけ見た変異種?っていうのにやられたかもしれないって、凸さんが…」
おどろくさんは両手を握りしめる。
「凸さんが…瑠璃ちゃんなら治せるかもしれないって…」
「そっか、瑠璃の治癒能力…!」
「呼んだ?」
瑠璃さんが扉を開けて入ってくる。
「瑠璃ちゃん!さもさんとななっし~さんのこと助けて!!!!!」
「わっ!?」
おどろくさんが瑠璃さんに抱きつく。
「なるほど…わかりました」
瑠璃さんはそう言うと、おどろくさんの手を両手で握った。
「任せてください。必ずお二人は助けます。」
瑠璃さんがそう言うと、おどろくさんは泣き出した。
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