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『一年後も、隣で。』
第十話
翌日。
翔太は結局、宮舘からのメッセージに返信できなかった。
“明日、ご飯行こう”
たったそれだけ。
返そうと思えば、一秒で返せる。
でも。
「行く」
その二文字が打てなかった。
────────
❤️side
「……返信こないな」
スマホの画面を閉じる。
既読もつかない。
仕事で忙しいのかもしれない。
寝てしまったのかもしれない。
そう自分に言い聞かせても、胸のざわつきは消えなかった。
昔から。
翔太はどんなに忙しくても、一言だけは返してくれた。
だから。
余計に嫌な予感がした。
────────
翌朝。
楽屋。
💜「おはよー!」
🧡「今日眠いなぁ」
💚「昨日雨すごかったね」
メンバーが集まる中。
翔太だけが来ていなかった。
❤️「……」
時計を見る。
集合時間を五分過ぎている。
その時。
ガチャ。
ドアが開いた。
💙「ごめん」
息を切らした翔太が入ってくる。
💚「珍しいじゃん」
💙「渋滞」
短く答える。
そのまま自分の席へ向かった。
宮舘は翔太の顔を見て息を呑む。
(寝てない)
目は赤く充血し、顔色も悪い。
いつ倒れてもおかしくないくらいだった。
────────
💙side
昨日。
結局眠れなかった。
退所手続きの日程。
母の通院。
実家の会社。
考えれば考えるほど、息が苦しくなる。
「渡辺さん」
スタッフに呼ばれる。
「少しだけお願いします」
まただ。
最近、この呼び出しが増えた。
💙「はい」
楽屋を出る。
後ろから視線を感じた。
振り返らなくても分かる。
涼太だ。
────────
廊下。
マネージャーが資料を手渡す。
「来週火曜日です」
「社長ともお話があります」
💙「……分かりました」
「本当にいいんですね」
その問いに。
翔太は少しだけ笑った。
💙「俺が決めたことなんで」
そう答えた瞬間だった。
「翔太」
聞き慣れた声。
体が固まる。
振り返る。
そこには。
宮舘が立っていた。
❤️「……」
目が合う。
翔太の手にある封筒。
マネージャーの言葉。
“本当にいいんですね”
その全部を聞いてしまった。
マネージャーは気まずそうに頭を下げ、その場を離れる。
廊下には二人だけ。
長い沈黙。
先に口を開いたのは宮舘だった。
❤️「何の話?」
優しい声。
でも。
その奥には、不安が滲んでいた。
💙「仕事」
嘘。
❤️「違うよね」
💙「……」
❤️「翔太」
❤️「お願いだから」
❤️「もう嘘つかないで」
その言葉に。
翔太の心が揺れる。
言いたい。
全部。
でも。
言えば終わる。
Snow Manとしての毎日も。
今の関係も。
全部変わってしまう。
💙「ごめん」
それしか言えなかった。
宮舘は目を閉じ、小さく息を吐く。
そして。
❤️「分かった」
翔太は顔を上げる。
❤️「翔太が話したくなるまで待つ」
❤️「でも」
❤️「一つだけ約束して」
❤️「俺の前から黙っていなくなるのだけはやめて」
その一言に。
翔太は唇を強く噛んだ。
胸が苦しい。
こんなにも大切な人に。
一番ひどい嘘をついている。
その罪悪感で、息が詰まりそうだった。
💙「……約束」
小さく呟く。
❤️「え?」
💙「黙ってはいなくならない」
それだけは。
守ろうと思った。
退所を決めた自分にできる、最後の約束だから。
宮舘は少しだけ安心したように笑う。
❤️「ありがとう」
その笑顔を見た瞬間。
翔太は思った。
(ごめん、涼太)
(その約束を守ったら、お前を泣かせることになる)
翔太は誰にも見えないように拳を握り締めた。
運命の日まで。
残された時間は、もうそう長くなかった。
絶対辰哉
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コメント
2件
まって、もう一回話し合おう 居なくなるな
うわあああ……第10話、読み終わったよ……😭💔 翔太の「ごめん」と宮舘の「約束」のシーン、心臓ぎゅーってなった……。 お互いに守りたいものがあって、それでも「いなくなるな」って言える涼太の優しさが痛いよ……。 この後の運命の日まで、どうなっちゃうんだろう……続き気になりすぎるよ〜!!🌸✨