テラーノベル
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この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません
阿部→「」
目黒→『』
コマンドの意味が分かりにくいかと思ってルビふってみたんやけどどっちのがええんやろ…?
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阿部side
彼が悪夢を見ないように、playをいい記憶に塗り替えられるように、とりあえず1回お試しでやってみることに。俺も何気に久々だから上手くできるかわからないけど…彼のためだ、頑張ってみようじゃないか
「…っし、大丈夫そ?」
『…大丈夫』
「よし、じゃあ怖くなったり嫌になったら直ぐ言ってね。俺のこととか考えずにセーフワード使ってくれたらいいから」
『ん、わかった』
お互いに緊張しているみたいで、俺の心臓はずっとバクバクいってるし彼の手はほんの少し震えている。少しでも安心させてあげようと軽く手を握るとビク、と過剰に反応していた
「めめ、大丈夫だよ。なーんにも怖くないから。ほら、俺の目見て?」
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目黒side
「Look」
パッと顔をあげると俺の瞳が彼の眼を捉える。きっと俺の顔は今、ひきつってしまっているんだろう。…俺が知っているdomは、反応が遅れたり間違えたら殴ったり蹴ったり、暴言を吐いたりするから。
「…めめ、」
『…ッごめ、』
数秒の沈黙の後に小さく名前を呼ばれたから、何か言われるんだと思った。彼の右手が伸びてきたから、殴られるんだと思った。だから反射で謝罪の言葉を言いかけた途端に耳に入ってきた言葉と彼の行動に理解が追い付かなくて
「Good boy、よくできたね」
『…ぇ、?』
愛おしいものを見るような、慈しむような目で俺を見詰めて優しく頭を撫でてくれる。playで褒められたのなんて人生で初めてだったから吃驚して固まってしまった
『な…ぐらないの、?』
「…?え、なんで?」
『だって俺ずっと悪い子って、』
「なぁに言ってんの、ちゃんとコマンド聞いて出来てんのにさ、悪い子なわけないじゃん」
『…俺ちゃんと出来てる、?』
「大丈夫、出来てるよ。とってもいい子」
そう言ってぎゅっと俺を抱き締める彼の腕は細くも力強くて安心感があった。彼から与えられる言葉の、行動の全てが俺の潜在的な恐怖を融かしていってくれた
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「もっと色んなコマンド出してみてもいい?」
『ん?うん、』
「…大丈夫?怖くない?」
『大丈夫、むしろなんか、心地いいというか』
暫く軽く触れあったり簡単なコマンドを貰ったりしているうちに、俺の中に早くも変化が起きていた。最初はあんなに怖かったコマンドが今は心地よくて。彼からの命令ならもっと欲しいと思ってしまっている、なんて言ったら引かれてしまうだろうか。もっと命令してほしい、もっと褒められたい、…心も身体も、彼に支配されてしまいたい。恐怖で覆い隠されていたsub欲が勝手に膨れ上がって来てしまっているのを本能的に感じた
『…しないの?命令』
「え…コマンド欲しい?」
『ん、まぁ……』
「ふは、かわい笑 じゃあめめ、Kiss」
岩本くんに出されたとき、どうしても従えなかったこのコマンド。いつものように動けなくなってしまうのかと思っていたけれど身体は正直なようで考えるよりも先にあっさりと動き出した。彼の首に腕を回して、軽い口付けを2、3回繰り返す。この命令に応じることが出来たのは初めてだった
「Good めめ。でもなんかこれだけぎこちないね笑」
『…初めて、だったから、』
「え、このコマンド初めて?」
『いやあの、出されたことはあったんだけど何故かこれだけ応えられなくて』
「…でも俺にはしてくれたんだ?」
『なんか勝手に身体が動いた』
「何それ俺のこと大好きじゃん」
『うん、好きだよ』
「俺も大好き。もうめめが可愛くて可愛くて仕方ないんだよね」
『俺そんな可愛い方じゃないでしょ笑』
「いやめっっっっちゃ可愛いよ?」
『どれくらい?』
「んー…食べちゃいたいくらい?笑」
冗談めかして発されたその一言に対してポロリと零れてしまった言葉に、何故か俺も彼も驚いた
『…じゃあ喰ってくれていいよ』
「え?」
『え?』
「え、ん?ちょ待っ、今めめなんて?」
あれ、俺今何て言った、?喰っていいよ?過去にあれだけ別の男に犯されたというトラウマがあったはずなのに、彼なら大丈夫な気がした。彼のコマンドのせいで俺の頭はふわふわして今正常な判断が下せてないのかもしれない、そうも思ったけれどこの発言で後悔するかもなんて考えは一切過らなかった
『え…っと、』
「めめ、ほんとにいいの?…こんな、勢いでしちゃって後悔しない?Teach」
『…え…と、大丈夫、かなって。阿部ちゃんは俺が嫌がることしないだろうし、阿部ちゃんになら何されてもいいかな、みたいな…』
「…ほんとにいいんだね?」
『…うん、』
「…ありがとう、」
顔をあげると今までで一番優しい笑顔を浮かべた阿部ちゃんがそこにいた。とても大事な割れ物を扱うような、丁寧な動きで俺の手を握って掌にキスをして。互いの指を絡めて手を握ると彼の顔が近付いてきて唇同士が触れた。そのままコツンとおでこをぶつけると、なんだか漠然とした幸せを感じてどちらからともなく柔い笑みを溢す。そして俺たちは買ったばかりの新しいベッドに二人揃って身を沈めた
コメント
8件
さすがあべちゃんめめが克服してる!!💚🖤
うわぁ最高だ、、、めめがトラウマ克服してる!あべちゃん優しすぎない??続き楽しみにしてます!