テラーノベル
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今日でついに一ヶ月が経つ。
「よし!行ってくるわ。」
特訓は十分にできた。これならきっと勝てる。
みんなと会えるのがとても楽しみだ。
「ええ…行ってらっしゃい。期待しているわ。」
私はコクリとうなずいた。
妖怪の山でみんなと実力を確かめるらしい。
(ここが妖怪の山……私達の世界と全然違うわね。)
「よ!霊夢!」
この声には聞き覚えがある。そう、いつも聞いているあの声だ。
「魔理沙!それに、妖夢も!」
「私もいますよ!」
妖夢の後ろから幽々子がひょっこり姿を表した。
みんな力がついたようだ。
「お久しぶりです。霊夢。皆さん随分変わりましたね。」
妖夢の言うとおりだ。みんなこの短期間で随分と力をつけたらしい。
「お!それと変更があるらしいぜ!15 日私らと戦って、残りの15日はこの妖怪の山の住人と戦うらしい。」
妖怪の山の住人と戦うのか……きっと強いだろう。
守矢神社の早苗が強敵だ。
「それにしても広いわね〜この会場。」
会場はとても広かった。弾幕ごっこをするにはうってつけの場所だ。
私は最後に大きく息を吸った。
私達は、会場に入ると、会場の待機室で、しばらく待機することになった。
しばらくすると、外がざわつき始めた。何だろう?
すると、外から文の声が聞こえた。
「さあさあ、皆様おまたせしました!ついに!ついにこの日がやってまいりましたー!!」
急に実況し始めたので、私達は動揺を隠せなかった。
「さあ、皆さんにご登城してもらいましょう!」
私達はにとりの誘導よって、会場へ出た。
「これからこの四人に弾幕ごっこをしてもらいます!順番はこちらです!」
文の後ろに大きな紙が現れた。
第一回戦は、幽々子VS魔理沙らしい。この二人もすごく実力が上がっているようだ。
これから私達の特訓の成果が明かされる。
「それでは、第一回戦の選手はこちらへ!」
魔理沙と幽々子が会場の真ん中へ案内される。
二人共緊張しているようだ。
「準備はできましたか?それでは………弾幕ごっこスタート!」
スタートと同時に、魔理沙が空に飛び上がる。
「へへ、こっちから行くぜ?はぁっ!」
魔理沙がたくさんの瓶を幽々子の方へ投げた。
ボォオー
急に瓶が一直線に燃え始めた。
「はわわ、おっかないです。私も攻めます!」
幽々子が魔理沙に一直線で近づいていく。あれじゃあ無防備すぎる。
魔理沙も疑問に思ったようだが、幽々子の後方に素早く弾幕を放つ。
「私が何の対策もしてないと思いますか?罠にかかりましたね!」
幽々子の後方にたくさんの蝶……いえ、蝶に見せかけた弾幕を放つ。幽々子の弾幕で、魔理沙の弾幕は、破壊された。
「はぁっ!私の一撃食らってくださーい!」
幽々子は、センスを武器にしているようだ。近距離戦に持ち込むらしい。
幽々子は、センスを器用に操っている。センスの周りにはたくさんの蝶……のような弾幕がある。
ブンブンと振り回している。が、魔理沙はすれすれにかわして当たらない。
「まじか、そんなもん武器にしてるのかよ…まあ、そろそろ終わらせるか。」
魔理沙はスペルカードを使うようだ。
「アンタレス!」
大きな球体のようなものが現れ、幽々子の方に飛んでいく。
「え、ええ?!あ、あんなのどうやって…」
幽々子は、ハッとした表情を見せた。
映姫からこんな事態になったことの対策を教えてもらったのだろう。
「……絶対に!止めて見せます!」
幽々子もスペルカードを放つようだ。
「紫の彼岸は遅れて輝く!」
魔理沙よりは小さいが、大きな蝶が現れた。
蝶が魔理沙の大きな球体へ飛んでいく。
幽々子はあの蝶一匹ではかなわないと察したのか、たくさんの弾幕と、レーザーを魔理沙の球体へ放つ。
バアァン!
大きな爆発音が轟いた。
魔理沙はぽかんとしている。
幽々子は、それを見逃さなかった。
「今です!」
幽々子は、スペルカード……いえ、ラストワードを放つようだ。
「西行高野の奥において人を造る事!」
その途端幽々子の分身が現れた。
分身が次々と魔理沙にレーザーや、蝶の弾幕を放つ。
「そんな……まさか、幽々子に負けるなんてな…」
魔理沙はそう言い残すと、弾幕の爆発に巻き込まれた。
「決着がつきました!勝者、西行寺幽々子!」
周りから歓声が聞こえてくる。
幽々子は、大の字型に倒れた。
「やった。やりましたぁ〜!勝負…ありです!」
魔理沙は、早苗さんに回復魔法をかけてもらっている。
傷跡から血がにじみ出ている。痛々しい。でも、あんな爆発の中でよく無事でいられたものだ。
「幽々子、お前やるじゃん!参った!」
幽々子と魔理沙は、あははと笑う。
「ほう。幽々子様が勝ったんですね。」
妖夢が私の後ろからひょっこりと顔をあらわす。
妖夢は目をキラキラと輝かせている。幽々子が勝ったのがとても嬉しいようだ。
次は、私と妖夢の試合だ。絶対に勝ってみせる。