あれから、毎日ダイエットを行い続けた。晴れの日には外で(嫌々)ランニング、縄跳びなどを雨の日にはゲームでのダイエットをしていた。博士が逃げ出した際も捕まえ、罠を仕掛け。とても順調に思えたが…+1キロ
目をこすってもう一度確認してみると…
+2キロ
ダイエットの結果を見ようと体重計に博士を乗せた。結果は減るのではなく増えていた。増えていた…
「…増えてます」
「えっ…とこれ…は…」
「なぜ増えているのでしょうか。おかしいですね(笑)」
「(笑)っているけど笑っていない…」
「博士…私に隠し事がありますよね」
「ないよ!!」
「ではこの数字はなんでしょうか」
「これは………故障です」
「そうですか」
「そうだよ。それにダイエットして痩せたし…」
「博士…焼豚にされたいですか」
「えっ…」
「博士は豚です。豚にしか見えません」
「…カメラが故障しているんじゃない」
「博士は私が故障しているように見えますか」
「…見えません」
「…そうですよね」
博士は黙秘をしている。話す気がないのなら仕方がない。私はキッチンへと向かう。
「あの…マリーさん」
キッチンには食料を置く倉庫がある。そこには、博士のお菓子がたっくさん置いてある。どれも、今禁止されているお菓子達だ。それを全て手にして外に向かい…燃やす。
「マリーさんのご乱心だ!!」
「燃やします」
博士は私に飛びついて止める。
「落ち着きなされ!!」
「燃やします」
「その子達をお助けにされ!!」
「燃やします」
「マリーさんは鳴かぬのなら鳴かせてみようホトトギスにはなりませんか!!」
「燃やします」
「織田信長理論だ!!」
「燃やします」
「マリーさん!!」
「燃やします」
「本当にすみません!!」
ピタッ…
動きを止めて博士を見る。
「博士…何に謝っているのですか」
「えっ…とそれは…」
「何に謝っているのですか」
「お菓子の隠し食いです」
「いつ、どこで、だれが」
「夜…部屋で…私が…です」
「ふぅ~ん」
「ほんとうにすみません」
やはり、博士は隠し食いをしていた。毎日、昼間に運動してもその分夜にもとを取り、バウンドどころか余分な量を吸収したら増えるのは当たり前だ。
「博士…隠しているお菓子をすべて持ってきてください」
「えっ…!!」
「持ってきてください」
「はい!!」
博士は風の如くお菓子を取りに行った。そして、風の如く戻ってきた。
「…こちらです」
博士は両手に多くのお菓子を持っていた。いつ頃からこのお菓子達を隠し持っていたのかは分からないが…随分の量だこと。
「博士全て回収します」
「…うぅ」
「…さっさと渡せ豚野郎」
「…はい」
嫌々な顔をして渡しているが…これではまた隠し食いを繰り返してそうだな。
「博士…次やったら全て燃やします」
「それは…」
「お菓子の次は…漫画です」
「合点承知です!!」
博士の大切な漫画を人質に取れば、もうしないだろう。
博士の隠しお菓子と持ってきたお菓子は別の場所に隠すことにした。
それからもう一度、博士のダイエットを繰り返した。運動量を倍増されてしまった。ガクッ…(博士)←博士泣き言を言わないでください。(マリー)
ご飯は野菜を中心にした。博士がおやつが無いと…「あ~あ…おやつが欲しいよ」
ぐぅ~
「無いとやる気が起きないよ」
ぐぅ~
「し~ぬ~」
やる気が起きないと駄々をこねるのでダイエットお菓子を作った。
ある時は、『豆腐ときな粉のダイエットケーキ』
絹豆腐ときな粉と蜂蜜を少し使ったお菓子なのでカロリーも少ない。
ある時は、『豆乳バナナプリン』
バナナと豆乳とレモン汁を少し入れればできる。
博士はダイエットお菓子と気が付かず
「美味しい!!」
「有り難や~」
と食べた。まぁ、美味しかったのならよかった。コッコパットにダイエット系のお菓子などが載っていてよかった。
月日は流れ…
「…博士ダイエット成功ですね」
「いや~楽勝だったね」
「…そうですね」
楽勝ではなかったが成功した。見事に+をなくしていくことができた。だが…
ぶょ~ん…
な体型が
ムキ…ムキ…
な体型になってしまった。
「これは…予想外ですね」
スリムをイメージしたが…腹には腹筋が、腕には筋肉がついている状態。なんか、暑苦しくもあるような…
「博士…別人のようですね」
「そお~ちょっと痩せただけだけど~」
「そうですか」
博士は家の中でだらだらとしている日常が、今では外でランニングをするようになった。雨の日には、ダイエット用のゲームをするので動きがうるさい。汗をすぐにかき、洗濯物が増えていく…
また…
「マリー!!」
「マリー!!」
「マリー!!」
前より、だらだらしなくなったのでその分私に構うようになった。
これはこれは、暑苦しい。博士豚のときはむさ苦しいが今は暑苦しい。
(…ちょっと太らせようかな)
「博士…暑苦しいです」
「そんなことないよ~」
「博士…今日は食べたいお菓子を食べて良いですよ」
「いや…遠慮しとくよ」
「博士…ダイエットはもう十分です」
「せっかく鍛えたんだよ~」
「…そうですね」
「マリーも惚れちゃった?」
「豚がゴリラになっただけです。別に惚れません」
「ゴリラも猿科だよ。人間も所詮猿だよ」
博士はドヤ顔で言っているが別に凄い事を言っているわけではない。逆に馬鹿にしているような…
「では、外見は人間にしてください」
「そんなにいや」
「ゴリラ要素はちょっとで十分です。だらだらをたまに挟むくらいがいいです。」
「たまにね…」
「私は…いつもの博士が好きです」
「そお~」
「はい…いつもの博士の方が惚れ惚れします」
「…仕方がないなマリーの願い叶えてあげよう」
「ありがとうございます」
それから、日常を戻していったら…
「笑…笑」
博士はだらだらとソファーで漫画を見ながらお菓子を食べる日常に戻った。
腹筋はなくなり…デブライン真っしぐらまで戻った。
「ゴリラ要素はどこにいきました…」
「ゴミに捨てた…」
少しくらいゴリラ要素は必要かもしれないと思ったマリーだった。
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