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「涼太くん、起きてー!」
「…んぅ…?」
誰かの声で目を覚ますと、3人が何故かにこにこして座っていた。
「おはよ!涼太くん!」
「おはよ、ラウ兄さん。何かご機嫌だね?」
「そりゃーそうだよ!ね?めめ!」
「まぁな。康二なんか昨日からそわそわしてたもんなー」
「しゃーないやん!ワクワクしとったんやもん!」
ルンルンしている3人を不思議そうに見つめる。
「その前に、涼太くん。体調どう?」
「え?…あ、大丈夫。寝たら大分楽になった。」
「じゃあ食欲は?大丈夫?」
「うん?まぁ大丈夫、だけど…?」
「良かった!じゃあおいで!」
そう言うラウ兄さんに手を引かれリビングに連れて行かれる。入った瞬間、パンッ!とクラッカーの音がなった。
「「「涼太くん、誕生日おめでとう!!」」」
「…えっ?」
あ、そうか。今日誕生日…か。家族からお祝いされたことなかったから忘れてた。
「あっ、…ありがと、う…」
「なんや、反応薄いなぁー」
「自分の誕生日だということ忘れてて…」
「え!?忘れてたの?」
「うん。…祝ってもらったことなかったから…」
「…じゃあ俺らがたっくさん祝ってやる!!」
「そうだな!もう少しでまた増えるし!」
珍しく蓮兄さんのテンションがあがっていることにびっくりしていると、インターホンの音がなった。
「あっ、来たな!めめ開けてー!」
「おう。」
そう言って蓮兄さんは玄関の方に行き、少し経つと人を連れてきた。
「はい、連れてきたよー!」
「連れてきたって…え?」
「「「「「舘さん(涼太)!誕生日おめでとう!!」」」」」
「え…え?みんな…?」
「やっほー舘さん!みんなでお祝いしに来たよー!」
「え?…なん、え、翔太…昼、来た…」
「めっちゃ舘さん動揺してるw」
「俺が来た理由はこれの準備。俺と涼太が話してる間、みんなでここの準備をしてたの。」
「…?」
「あ、涼太の頭がパンクした。」
「おーい、戻ってこーい。」
いや、パンクはしてない。…してないけど…嬉しすぎる。よく見たら、リビングもカラフルに装飾してあって、机には俺の好物ばかりならんでいる。嬉しすぎて泣きそう。
「…嬉しい…!」
「わー!涼太が今までで1番嬉しそー!」
「ホンマやな!頑張って準備したかい頑張っあったわー!」
「舘さん、みんなからプレゼントもあるからね!」
「プレゼント…!?」
「そう!みんなで各々考えて持ってきたんだー!」
「いいの…!?貰って…!」
「いいんだよ!今日は舘さんが生まれた素晴らしい日なんだから!」
俺が生まれた素晴らしい日…。親がいなくなってから与えられることのなかった愛情や優しさ。触れるまでは必要ないと思ってたのに。
「…っ、すごい、嬉しっ…」
「あ、涼太泣いちゃったー!」
「わー!泣かないでー!俺も泣きそうになるー!」
「何で康二が泣くんだよ…」
「うぅーよがっだね゙ぇー…」
「阿部号泣なんだけど。」
「何で?怖っ…」
「ちょっとガチで引くのやめて貰える?」
「っ…あははっ!!」
出ていた涙も止まって思いっきり笑うと、みんな一瞬だけびっくりしてその後笑い返してくれた。
「ってか早くご飯食べよ!冷めちゃうよ!」
「せやな!沢山あるからみんな遠慮せず食べてな!」
「わーい!やったー!」
「1番喜んでんの佐久間じゃん。」
「いいだろ別にー!」
「涼太くん、ケーキもあるからね。」
「ケーキ…!初めて食べるかも…!」
「「「「「「「「…え?」」」」」」」」
「初めて…?ケーキ…?」
「…?うん。だって高いし…」
「…ケーキ美味しいよ!俺チョコレートのやつが1番好き。」
「流石照。中身が乙女!」
「やかましいわ。」
「ほら、食べるよー!」
こうしてみんなでご飯を食べた。あんなに感じてた不調も忘れるくらい体は不思議と元気でみんなと騒いだ。