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禁足地にいる京子は面を手に取った。

艶やかで形よく、何十年も壺の中で聖水に使っていたとはおもえないものだ。


(ボアンっ)

面から波動がでる。

京子のストレートの金髪がふあっと立ち上がる。京子は何かを感じ取った。

「そういうことか。。理屈はわかった。」ポケットからスマホを取り出し電話をかける。

「姉上はいつも急ですね」

「ガク、時間がないからヘリでこい」

そう言って京子はスマホをしまう。




修羅は凛子を担ぎ、平田さんのもとへ急ぐ。ジレンマは何かの視線に気付き、立ち止まり振り返った。誠だ。

「修羅くん凛子ちゃんと先に戻って」

「あっ誠か?わかった先行くぞ」修羅は横目で誠の姿を確認して、そそくさとその場を離れた。

誠とジレンマは一定の距離を保ち向き合う。

(カタカタカタ)

誠はまるで操り人形のような動き、誠の意識はなく悪魔に支配されている。

目は白く、最大限に広げた口からは唾液を垂らし、どうみても異常だ。

ジレンマはそんな誠をみて呆然と立ち尽くす。

「ぐああぁぁあ」

誠がジレンマに飛びついた。

「僕の名はジレンマ、通称かとみんなは思ってるようだけどさぁ。本名なんだよね、#呪戀魔__ジレンマ__#ってさぁ。」

誠はジレンマ手前、寸前でピクリとも動かない。誠の額からは脂汗が滴りおちる。 「それ以上僕に近づかない方がいいよ、一枚お札を剥がしたからね。」

ジレンマは指先でお札をちらつかせそう言った。

「僕の中には呪いをかけられた魔がすみついているんだよね、それも最強な奴が、、その魔物に呪いを重ねかけしてるだよ。悪魔に呪いをかけるって規格外(笑)

それを身をもって封じてるのが僕なんだけど、意味わかるかな?」

そう言ってジレンマはシャツのボタンを外す。あらわになったのは札だらけの裸体だった。

札が剥がれた箇所は呪印のような刺青がされている。

呪印から滲み出てくる邪悪なオーラ。今にもよからぬ何か飛び出しそうだ。


誠は尻込みをしながら後退り森の方へ消えていった。

「あいつを誠くんから引き離さないと誠くんもまきこんじゃうなぁ。。」

なんとジレンマは自らが呪物であった。


ジレンマは振り返り修羅を追うのであった。


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