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「それは…俺の知り合いやから。」
一瞬思考が停止した。
この話は1000年前の話のはずであり、その少年はもう死んでいるはずで、きょーさんはその時代に生きているわけがない。
「なんでそんな納得がいかなそうな顔してん」
ときょーさんに聞かれた。
「だ、だってその話は1000年前の話ならっきょーさんは生きてるはず無、、、い。」
「あぁwなんやそんなことか」
そんなこと?俺にとっては前代未聞の一大事なんだが??
「いやぁ化け物ってな、一部の者だけだけど不老不死なんや」
「あの…謎が深まっただけなんだけど??」
つい口に出してしまった。
「ははっやっぱりお前、あいつにそっくりやな」
と愉快とでも言うような顔できょーさんは言う。
「しっかしなぁ、今から行く…運営国は人間は一切入れへんのや。ここは森の中だし、かろうじて平気やけど街に入ったらすぐにお前なんて頭のど真ん中撃ち抜かれて確実に死ぬやろな。」
きょーさんは少し怖い口調でそういった。
「…洒落にならないで、、、よ」
「タメ口に慣れてないせいで言葉遣い変になっとるでw」
「グギギギッ…」
きょーさんにからかわれて少しだけ懐かしさのようなものを覚える。
(一応初対面何だけどなぁ…w)
「まぁ、あんさんは…」
と途中まで言うときょーさんは口に手を当て、「静かにっ!」と小声で言われた。
すると夢の中で見たことがない2人組が自分たちがいる近くを歩いていた。できるだけ身を潜め、彼らの会話に聞き耳を立てることにした。
「ほんっっっっとにシャバいわ〜敵国に入って市民を1人でも多く暗殺しろーなんてグルちゃんもおもろなくなったもんやなー」
「まぁまぁ、部屋でゴロゴロして戦闘訓練にすらこないお前にはいい運動ちゃう?俺もこの任務はおもろないと思うけどさ」
「ヴッひどいよシャオチャぁン」
「いやいや、事実を言ったまでやろ」
「事実陳列罪で逮捕します〜」
「大先生に俺は逮捕できませーん」
「うえーん」
「いい年して嘘泣きすなよ、きっっっつ」
「辛辣ー」
「んで、聞き耳立てるぐらいならちゃんと面と向かって話すべきちゃう?そこのお二人さん」
「チッばれたか。おい逃げるぞここで戦っても2:1みたいなもんや」
「あれ、運営国の幹部さんじゃないですか〜」
「いや俺にはこの子を家に連れて変えるというミッションがあるんで…ちょっと今日はパスで」
「…誰やそいつ。ってか、運営国の総統にそっくりやな」
「ちょっとしゃおちゃんボソッ」
「…確かにな。」
「おい運営国の幹部さんよお、その子人間とちゃうん?」
「うるせぇ。俺は帰るだけや」
「ちょっと人間の子は我々国で預からないとなぁ」
ひょいと持ち上げられる。怖い。言葉が出ない。
「助けてっ」
そこで俺の意識は途絶えた…
目を覚ますとどこかの部屋のような場所のベッドに寝かされていた。
「あれっここは…?」
しかし、俺には見覚えがあった。夢の中で起きたときの部屋だ。
「やっと起きたんだね」
夢の中で見た、城を案内してくれた人がこちらの顔色を伺いつつ話しかけてくる。
「君、自分で何をしたか、記憶ある?」
そう言われても眠っていただけなので、素直に眠っていたと応えるとその人は表情を曇らせた。
「逆にどこまで覚えてる?」
少し嫌な予感がした。
「まぁ、きょーさんにこのセカイは化け物と人間が居てーみたいなことと、不老不死の人がいるって言うこととその後に、我々国の幹部の人に連れ去られそうになって、助けてっていったところまで…逆にそれしかおぼえてないです。」
その人は特に言及をしてこなかった。聞いているだけだった。
そしてその人はそれだけ聞き終わると部屋のドアノブに手をかけた
彼は、ふと思い出したかのように言った。
「…君は福田らだおくんで合ってるんだよね?」
「はい。」
「そっか」
パタン。(ドアが閉まる音)
「本当に何なんだよ」
(…くっそ楽しいじゃん!いじめられることもなく、なんならちやほやされてる感あってサイコーじゃん!)
「ふぅ」
俺はここから人生が始まったのではないかというほどに、高揚感に満ち溢れていた。
おつぬ〜