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顔から火が出るほど恥ずかしかった。
俺が守ってあげなくちゃと意気込んでいたものは、もう阿部ちゃんの中ではとっくに終わっていた問題だったのだ。
阿部ちゃん本人が気にしていないなら、俺は何がしたかったんだろう?
考えれば考えるほど、答えは俺の独りよがりだった。
🤍「ほんとに恥ずかしい」
💚「どうして?」
🤍「阿部ちゃんが好きなのは間違いないけど、俺勝手に傷つく阿部ちゃんを作り上げて、それを救い出すヒーローになってる気分だった」
💚「ふふふ、可愛いね」
🤍「笑わないでよぉ、それでも本気だったんだから…」
顔が熱くて熱くて、涙が出る。
阿部ちゃんがあったかい手で頭を撫でてくれた。
💚「ごめんごめん。でもラウールの気持ち嬉しいよ。俺の特別は全部めめのものだし、めめもそう。だから、応える事はできないけど」
そしてあったかい手に絆されて泣いてる間にサラッとフラれた。
ちゃんと返事をしなきゃ。
涙は流れるけど、顔をあげてしっかり阿部ちゃんを見つめる。
🤍「わかった、ありがとね。…でも、1つだけ言わせて」
💚「なに?」
🤍「もし、もし阿部ちゃんが悲しい気持ちになる時があったら……その時は俺を頼ってね?」
阿部ちゃんはにっこり笑ってこう答えてくれた。
💚「うん、頼りにしてます」
その後は気が張っていたのが解放され、阿部ちゃんの胸を借りてめちゃくちゃ泣いてしまった。
💚「もう泣かないの、ヒーローなんでしょ」
🤍「そうだけどぉ、やっぱり悔しいんだもん〜」
阿部ちゃんは笑いつつも、俺が泣き止むまでずっと背中を撫でてくれた。