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episode1 夜に限って
帝統に会い2日後の寝る前にインターフォンが鳴る。
近頃これが続いてる。
今日だって久しぶりの長編を脱稿し終えたばかりの休息日目前なのに、家に泊めてくれと
玄関の前で私の顔を待つ。
「幻太郎…今日も泊めてくれ~!!」
「あなたねぇ…小生しか友達居ないんですか?
まぁこんな夜中にあなたを救えるのは小生だけですよね…ほんととんだ物好きに見られたものですよ。」
適当に文句を垂れ流す。
別にいいんだよ、なんも思ってない。
今更勘弁してくださいなんて昔に忘れたよ。
ただ小芝居が好きなんだ、いつかのネタになるか
宝になるか。
気づいてたらできてた目の下のくまも、増えてたコップも歯ブラシも全部、有栖川帝統という男のために用意し付けられたものだ。
こんなに懐かれて今更帰れなんて言えない
一か八かの恋だなんて信じられない。
初めて恋愛というギャンブルに勝手に染められていた。
「とりあえずお入りなさい。
通報されちゃ困りますからね。」
通報されて困るのは乱数だ。
同じチームメイト2人が夜中に玄関前で迷惑喧嘩だなんて記事が書かれてしまってはFlingPosseの名が傷つく。
それすら愛せるくらいに人情味溢れる性格になってしまうなんて過去の自分から比べると想像つかない。
あんな大きな猫のような人に懐かれたら
誰だってこんな性格になってしまうのだろうか。
episode2 そろそろ手を出してよ
寝る寸前の家なんて薄暗い。
何となくで歩けるくらいの足元に灯したライトと
玄関の横にあるランプがチラチラと光を灯した。
「幻太郎ごめんな、寝る前に。
俺は床でもどこでもいいから、今日はさみぃし幻太郎は薄着だ布団に早く戻った方がいいんじゃねぇか?」
「そうですねほんと困ったものですよ。
今日脱稿し終えたばかりなんですだから今日をは
ゆっくり寝れそうです。」
深夜テンションというやつだろうか。
名前なんてなんでもいいがいつもと違う自分に酔って行動を起こす。ましてや2日スパンで会って
特に大きな話題もなく一緒に過ごすなんて
たまには大きな出来事が欲しくなる。
なんせ、夜なんて物語の宝庫だ。
ネタにするかどうかはさておいて思い出の1つや2つは欲しいものだ。
そんな思いで帝統の手を取り自分の布団まで引っ張るまるで小さい子が親の手を握って歩くように。
「幻太郎、手離せよ…俺はまじ床でいいから…!?
幻太郎はしっかり寝てくれよ、」
頭を掻きながら呆れたような物言いだ。
誰のせいでしっかり寝れていないのだろうか。
そんな一言を胸の内に押し込んだ。
なんだか今が幸せだったから。
「小生ギャンブルを始めたんです。
帝統が今日、手を出すのか出さないのか。
ほんとどこかの同人漫画のような賭け事
出さなかったらこれから帝統を泊めないでおこうと思って。だって都合のいい女みたい。」
布団に寝っ転がって戸惑った相手の表情を見ながら言うのだ。
どうせ困惑して何も動けずに居るのだろう。
わかってて言うのだ。
「俺の事めっちゃ好きじゃん、幻太郎。
幻太郎らしくなくね笑…?いいの?手出して
嫌じゃないの?俺は幻太郎の事が好きすぎるから触れなかったのに…」
「いいから言ってるんですよ…焦れったいのはもう飽き飽きだ。」
熱苦しい夜の1時が終わりそうだった。
仰向けに見えた微かな時計の針が胸をつんとさすみたいだったあと数時間後には居なくなる男が寂しかった。
episode3 ノリで告白なんてしない
「…さみしッ…だいす、さみしいっ…泣」
ひたすら愛されまくってんのに今は委ねられてるはずなのにうっすら見えた時計の針に嫉妬して
寂しさが止まらないのだ。
熱い息が布団が温めて耳元ばっかりで会話している1番ゼロ距離でいるからより怖くて寂しいという気持ちが抑えれない自分に抗えず認めるしかない。
「どうしたら寂しさって埋まんの…夢野せんせ。」
「だいすばっか…ずるぃ…ッ”!?…ん”ッ泣」
「好きな人から貰うずるいの為にギャンブルしてっからな笑告白が嘘でも俺は幻太郎が好きだ、時計ばっか見んな…」
よく寂しさは人で埋まるみたいなことを言うが
それを体感したことがなくてそんな言葉は好きじゃなかった。
なのに大好きだったと無理やり自覚させられたみたいで教えられた相手が帝統だったという嬉しさと帝統なら何を見せてもいいかという気持ちが共存し始めた。
「…んッ泣やっ…やめてっ…泣」
「嘘つき」
なんでもお見通しなんだって思いながら
身を委ねる。
どんな関係でも使い捨てられても愛が勝ってしまうだろう。
構わないから今日の夜くらいはあなた色に染めて欲しい。
気づいたら朝が来ていて子鳥のさえずりが目覚ましのように聞こえてくるそんなおとぎ話の世界みたいに2人いつまでも幸せに暮らしたい。
そんな想い届くはずないだろう。
貴方は治らない鈍感だから。
「おい、幻太郎もう9時だぞ!
いつもならもう起きてる時間じゃねぇか!」
「…帝統のせいです。
小生は二度寝しますどっかの引き出しにカップ麺があるのでお腹がすいたら食べてください。」
人生で初めて恋した相手に寝ぼけた会話をした
ニヤけた顔を見られたくないのですぐに布団に潜ったがきっと見抜かれているだろう。
「まぁそれならいいんだけどな。
俺ももう一眠りするか〜。」
「帝統、帝統に悪ノリで告白なんかしませんよ。」
背中を向けてしかまだ言えない小心者もいつか治りますようにと思いながら彼に告白をする。
小生らしい形で。
#愛され