真っ暗なトンネルを ただひたすら歩き続ける。
一体いつまでこのトンネルは続くのだろうか?
そもそもこのトンネルに終わりはあるのか??
わからない。 理由は分からないけど歩き続けないといけない気がした。
凛
凛
凛
目の前には 気味の悪いくらいニヤニヤしている 男がいる。
凛
凛
そこで目の前の男は 一瞬悲しそうな顔になりこう言った
「残念ながら君は4等だ。」
目を開けるとそこは病室だった。
母
ぼやける視界の中で母の顔を見つける
医者
ガシャン!! 右手が包帯で固定されていて動かない
凛
母
凛
「あなた、自分の部屋で手首切ってたのよ。」
震える声で母はそう言った。
凛
凛
「残念ながら君は4等だ。」
あの男の声が脳内に響く。
ならあの男の言っていたことは正しいの? だとしたら
私はあと4日で死ぬの?
嫌だ
嫌だ。
それになんで!??
なんで私、
自殺したんだろう。
空白の記憶の中で 死んだ私
1日目
母
凛
時間はない。 4日以内に 私が自殺した理由を知りたい。
凛
母
凛
母
包帯に巻かれた右手を見る。
なんだか変な感じだ。
母
凛
母
母
凛
凛
母
母
凛
母のやつれた顔を見るときっとずっと傍に居てくれたのだろう。
凛
凛
母
凛
母
母
母が少し困った顔をしたのを覚えている。
2日目
凛
母
母
凛
母
母
凛
私は昨日から母に聞こうと決めていた事を口にする。
凛
凛
母
母
昨日から母の様子がおかしい事には気づいてる。 もしかしたら
何か知っているのかもしれないと思ったが 気のせいか?
凛
凛
凛
とにかく時間がない。 あと2日でどうして私が自殺したのか知りたいのだ。
母
凛
母
3日目
教室に入ると若干ざわめきが起こる
みんなの視線が少し痛い。
凛
結衣
玲奈
凛
「よかったぁ。」 2人は同時にそう言うと 安堵のため息を着いた
凛
私は2人に近づき さっきより小声で話す
凛
凛
玲奈
結衣
凛
みるみるうちに2人の顔が 強ばっていく
玲奈
結衣
凛
もしかしたら 原因は2人にあるのかもしれない。
そんな考えが脳裏をよぎった。
もしかしたら2人が私の陰口を・・・
それを知った私が自殺を?
全然考えられる話だ。
凛
少し知るのが怖くなってきた。 2人が隠す理由なんて一つだ。 自殺の理由が2人にある。 私は2人から離れ
1人席に着いた。
4日目
教室の扉をあける。 自殺の理由はあの2人。 理由が分かれば別に今日死んだって構わない。
そう思った私はいつも通り登校した
玲奈
玲奈
結衣
結衣
玲奈
驚く私を横目に2人は 一気にそこまで話た。
凛
結衣
玲奈
凛
玲奈
結衣
そう言うと2人は話だした。 私の本当の自殺理由を。
学校から帰宅した私は 1人、ベットの上に うつ伏せに寝転がっていた。
昼間聞いた2人の話を思い出す。
凛の両親、離婚するんだって。
それでどっち着いていくか悩んでた。
いつも、本当に苦しそうに凛は悩んでた。
それでね、
凛が自殺した日は、 母親か父親
どっちに着いていく決めなければならない日だったんだ。
凛はきっと決めきれなくて、 それであんな事を。。
凛
私は零れてきた涙を拭う。 ショックだ、 今日死ぬ事もそうだし、 両親の離婚も。
昨日言えなかったのは、 このことを思い出してまた凛が 自殺しようとしちゃうんじゃないかって 心配だったからなんだよ。 ごめんね、
玲奈と結衣は本当に優しかったな。
色んな考えが頭に浮かんでは消えていく
ガチャ! ドアの開く音がした
下の階から お母さんとお父さんの会話が聞こえてくる。
笑い声は
一切ない。
凛
「ーーっていってるでしょ!」
「ーーーなんだよ!」
細かくは聞こえないが 2人は怒鳴りあってるようだ。
「なんだよ!1ヶ月ぶりに会ってそれかよ!」
「あんたなんて見たくないのよ!」
凛
凛
ガシャ ドアが開く。
母
母
母
母
母
母
母
そう言い残すと母は出ていった
しばらくは無心だった。
母も好きだし、 父も好きだ。
そうこうしてるうちに1つの答えにたどり着いた
ドアが開き母が姿を見せる。
凛
凛
凛
凛
玲奈と結衣の顔が浮かぶ。
母について行くなら引越しをしないといけない。
同じくらい母と父が好きなら 決めるのはそこでしかない。
母
母の顔が少し歪む。
凛
凛
凛
結衣と玲奈の話なら 決める事が出来なくて自殺したはずだ
でも、今私は
決めることが出来た。
きっとあの時の私も同じ考えをしたに決まってる。
なら、なぜ?? どうして私はこれから死ぬの???
凛
そうだ、私
勘違いしてたんだ
そもそも 最初からおかしかったんだ。
病院で感じた右手への違和感
理由は簡単だ。
右利きだからだ。
右利きならきっと手首を着る時 右手で切るだろう
だから、傷は左手じゃないと おかしいんだ
お母さんの傷。 私はお父さんに付けられたとばっかり思ってた
でも、お父さんに会ったのが1ヶ月ぶりなら
バンソーコー程度の傷、 完治してないとおかしいんだ。
あれはお父さんが着けた傷じゃない
さらに、 きっと私はちゃんと決めたんだ!
父親について行くと。
そうだ、そうだったんだ。
お母さんを傷つけたのは私。
自殺なんかじゃない。
お母さんに殺されたんだ。
母
母
母
母
母
そこでお母さんはそっと微笑んだ
母
母
母
母
母
母
怖くて怖くて。 涙が溢れ出る
歪んだ視界の中から、 母の笑みがこっちを覗き込んでいる。
コメント
8件
うわーーーーー怖いよ おかあさん悪っ!
最後のオチが見事すぎる…! 面白かったです!
うわぁ....怖い