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沢田マリカ
芹沢大和
高城寛貴（所長）
事務所に戻ると
所長と芹沢さんが話をしていた
芹沢大和
沢田マリカ
沢田マリカ
芹沢大和
芹沢大和
芹沢大和
芹沢大和
かすみさんの面会に行った芹沢さんの話によると
かすみさんは虐待の事実を少しずつ認め
静（じん）さんに強要したことも認め始めた
だがそれら全ては義母のせいだと
五年前に亡くなったトキ子さんの名前を出し
全てがそのトキ子さんの指示だったといい続けているようだ
2010年8月25日（水）
静（じん）さんを送り出したかすみさんは
いつものように家事をこなし
洗濯物を干し終えた11時頃
あすみさんのいるあの部屋へ向かった
鍵を開けて扉を開けると
あすみさんの発する強烈な臭いが鼻を刺激した
井川かすみ
井川かすみ
井川かすみ
井川あすみ
あすみさんからの返事はなかった
横たわったまま動かないあすみさんに苛立ち
井川かすみ
井川かすみ
井川かすみ
既に反応する気力もないあすみさんは黙ったまま動けず
そんな態度が余計にかすみさんを苛立たせる
井川かすみ
思いっきりあすみさんの頬を叩く
ぐったりと横たわったままの彼女が
微かに言葉を発した
井川あすみ
そのわずかな言葉にも苛立ち
井川かすみ
更に強い力で頬を叩いた
井川かすみ
井川かすみ
この頃にはもうあすみさんに対する愛情などはなく
このまま続ければ死ぬかもしれない
かすみさん自身もそれを自覚してはいたが
井川かすみ
井川かすみ
そんな思いがかすみさんの心を支配しようとしていた
それだけ義母の存在が恐ろしかったと言うのもあるが
井川かすみ
あすみさんに対する憎しみに近い感情もあった
夕方になり
かすみさんはいつものように買い物に行く支度を始めた
まさかここに
私達が突撃してくるなんて想像もしていなかった
支度を終えて玄関を出ると
タイミングよく静さんが帰宅
井川かすみ
井川静（じん）
力のない弱々しい返事にため息を漏らしつつ
かすみさんは買い物に出掛けた
でも歩き始めて10分程経ったところで立ち止まり
家まで引き返した
井川静（じん）
静さんの返事が引っ掛かった
井川かすみ
徐々に沸き上がる怒りと共に家に戻ると
門の前に見知らぬ男女が立っていて
執拗にインターホンを鳴らしている
警察か児童相談所か学校関係者か
そんな疑問を抱きつつ近づく
井川かすみ
声をかけるとその男女が同時に振り返る
井川かすみ
平常心を保とうと意識するが
心臓がバクバクしていた
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