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◯◯side

及川と待ち合わせをしたところの近くに来た

そこにはすでに及川が立っていた

近づく前に後ろに振り返って鏡をポケットから取り出して変じゃないか再確認

☆☆ ◯◯

(よし、大丈夫っ......!)

何も崩れてないことを確認してから、再度私は彼の元へ駆け寄った

そこには浴衣姿の及川がいて、こいつは何着ても似合うな〜なんて思った

☆☆ ◯◯

お待たせ、待ったかな?

私がそういうと、及川は目を大きく開きながらパチクリさせた

☆☆ ◯◯

.........???

☆☆ ◯◯

及川?どうしたの?

及川 徹

え.......◯、◯◯....?

☆☆ ◯◯

え.....?

☆☆ ◯◯

☆☆◯◯ですけど?

及川 徹

う、うっそ....!

及川 徹

本当に、◯◯なの......?

☆☆ ◯◯

だから、そうだってば

私がそう言うと、及川は少し顔を背けられた

☆☆ ◯◯

(え"っ.....なに、もしかして私変.....?)

及川 徹

その....

及川 徹

すごい、........可愛いね

☆☆ ◯◯

.........................へ?

思いもよらない言葉に驚いて彼の顔を反射的に見た

そこには、目線を逸らして少しだけ頬と耳を赤らめた及川がいた

☆☆ ◯◯

っ....!!!

初めて言われた可愛いって言う言葉に私自身も顔から火が出そうなほど恥ずかしい

多分、今の私の顔面は茹でタコみたいに真っ赤だ

☆☆ ◯◯

あ、ありがとっ....!

そう出てきた声は地味に裏返ってしまってさらに恥ずかしい

☆☆ ◯◯

(ぎゃあぁぁあ!!私何やってんのぉぉぉ!!!!!)

☆☆ ◯◯

(今なら羞恥心でタヒねるんだけど!!!!!)

パニックなり気味な心を落ち着かせるために、大きく深呼吸

すると、なんだか少しだけ落ち着いた

☆☆ ◯◯

えっと、及川も浴衣姿、か、かっこいいね...!

☆☆ ◯◯

超、似合ってる...

及川 徹

へ...?あ、うん。えっと

及川 徹

あ、ありがと!

思えば、及川にかっこいいと言う単語を使ったのは初めてだったかもしれない

いつもより自分が可愛いから少しだけ自信がついたのかな

恥ずかしいと思う言葉もなんだか正直に言える

もしかしたら、メイクの魔法かな?

及川、少しは私のこと意識してくれたかな

及川 徹

じゃ、じゃぁ!

及川 徹

お祭り回って行こ!

☆☆ ◯◯

うん、行こ!

それから私たちは夏祭りを堪能(たんのう)した

一緒にヨーヨー釣りをしたり、射的で勝負したり

金魚すくいをしたり、わたあめを食べたり

なんだか、中学生の時に戻ったみたいにはしゃいで、笑った

及川と2人っきりって言うのはなんだか久しぶりで

少しだけ緊張してたんだけど、そんな緊張もすぐに解けていった

及川 徹

あ、◯◯!

及川 徹

かき氷屋さんあるよ!食べよ!

☆☆ ◯◯

え、食べる食べる!

及川 徹

フフフ!

☆☆ ◯◯

え、何急に

☆☆ ◯◯

不気味なんだけど?

及川 徹

今日は特別に及川さんが奢ってあげよう!!

☆☆ ◯◯

え?

☆☆ ◯◯

い、いいの?

及川 徹

いいよ〜

及川 徹

食べたい味選んで!

☆☆ ◯◯

じゃぁ、私はいちご味がいいな

及川 徹

OK!買ってくるね!

☆☆ ◯◯

うん、ありがと!

及川 徹

◯◯はどっか座れそうな場所探しておいてくれない?

☆☆ ◯◯

おけ!

及川 徹

じゃ、行ってくるね〜

☆☆ ◯◯

はーい

及川はそのままかき氷屋さんの方まで少し駆け足で行った

☆☆ ◯◯

(結構人いるから、少し人気のなさそうな場所探しに行こうかな)

そう考えた私は、あまり人が行かなそうな場所へと足を運んだ

少し歩いたら、お祭りの場所から少し外れた場所に小さな公園があった

そこには誰もいなくて、とても静かな空間だった

☆☆ ◯◯

(及川に連絡入れておこう)

私は携帯を取り出して及川に連絡した

「祭りから少し外れた公園のベンチにいるね」と、送るとすぐに既読がついて

「OK!ちょっと並んでるからもう少しかかりそう🥺」と来た

多少時間がかかると言うことだったから、私は1人で待つことに

☆☆ ◯◯

(暇だな〜)

☆☆ ◯◯

(てか、私上手く告白できるかなぁ....)

何度も何度も予習した告白

振られるのも覚悟の上だけど、やっぱり悲しいのは変わらないしめっちゃ泣くんだろうな

今みたいに気軽に話せることもなくなるんだろう

なんて、これからの自分の未来だと言うのに呑気に考えてる

☆☆ ◯◯

(陽葵にたくさん慰めてもらおう)

☆☆ ◯◯

(でも、やっぱり.....この関係が崩れるのは怖いなぁ......)

積み上げてきた5年間が、今日...いや、もうすぐで壊れてしまうんだって考えたら

酷く怖い

☆☆ ◯◯

(でも、これでいいんだ)

☆☆ ◯◯

(この想いを伝えられて、また立ち直れたら....。きっと、後悔せずに済むよね)

及川 徹

あ、◯◯いた〜

及川 徹

買ってきたよ〜

ピンク色と水色のかき氷を両手に及川が歩いてきた

☆☆ ◯◯

ん、ありがとっ

☆☆ ◯◯

及川はブルーハワイ味にしたんだね

及川 徹

うん、ブルーハワイ1番美味しい!

☆☆ ◯◯

いちごも美味しいんだよ〜?

及川 徹

そうなの?

及川 徹

いちご味とか最後に食べたの小学生だしな〜

☆☆ ◯◯

え、まじ〜?

☆☆ ◯◯

思えば私もブルーハワイ味全然食べたことないな〜

☆☆ ◯◯

いつもいちご味食べてたから

及川 徹

◯◯はいちご味好きなんだね

☆☆ ◯◯

うん、ガチで美味しいんだから!

及川 徹

ほほぅ〜?

及川 徹

まぁ、とりあえず食べよ!

☆☆ ◯◯

うん、溶けちゃうしね

私たちはかき氷を食べながら他愛もない会話を交わした

及川 徹

ん〜!やっぱりブルーハワイしか勝たん!

☆☆ ◯◯

女子かーい笑

及川 徹

いや、本当に美味しいんだからね?!

及川 徹

例えるなら、岩ちゃんの筋肉って感じ!

☆☆ ◯◯

いや、全く意味わからんし、美味しくなさそうなんだけど?

及川 徹

とにかく美味しいの〜!

☆☆ ◯◯

はいはい笑

及川 徹

疑ってるな〜?

及川 徹

ほら、一口食べてみなよ!

そう言ってから及川は自分のスプーンにかき氷を掬ってこちらに差し出してくる

☆☆ ◯◯

..........................へ?

☆☆ ◯◯

(いや、待て待て待て待て!!)

☆☆ ◯◯

(これ普通に間接キスだよね??)

☆☆ ◯◯

(もしかして及川間接キスを知らないとか.....?!)

☆☆ ◯◯

(いやいや、そんなわけないよね?)

☆☆ ◯◯

(え、これ食べて良いの?!)

☆☆ ◯◯

(てか、岩泉の筋肉みたいって何、怖いんだけど?!?!)

及川 徹

食べないの?

☆☆ ◯◯

え、あ、、食べる!

辺りが暗いことをいいことに顔が赤くなってるのが見えないことを願って

私は及川に差し出されたかき氷を食べた

及川 徹

どう、美味し?

☆☆ ◯◯

う、うん!めちゃ美味しい!

☆☆ ◯◯

(どこが岩泉の筋肉だ!!わからん)

本当は味を感じないほど脳内はパニックだけど精一杯の感想を言った

及川 徹

良かった〜笑

及川 徹

じゃぁ、◯◯のも一口ちょうだい!

☆☆ ◯◯

へっ?!

☆☆ ◯◯

え、あ、うん!いいよ?!

そう言って私はかき氷の容器ごと及川に差し出した

及川 徹

わーい、ありがと!

及川は私の容器からかき氷を掬って普通に食べる

☆☆ ◯◯

(本当、ずるいやつ.....)

こんなのリア充みたいで嬉しいなって

そんなの思えなかった

逆にね

☆☆ ◯◯

(私、及川に女子としてみられてないんだなー......)

そう思ってしまった

「可愛いね」って言われて少しでも浮かれた自分が馬鹿みたいに思えてきた

☆☆ ◯◯

(私捻くれてるなぁ〜.......)

及川 徹

んっ!美味しい

☆☆ ◯◯

でしょ〜?

及川 徹

今度はイチゴ味買って食べよ〜!

☆☆ ◯◯

そんなに気に入ったの?

及川 徹

うん、思ってたより全然美味しかった!

☆☆ ◯◯

よかった笑

及川 徹

ねぇ、そういえばさ、◯◯

☆☆ ◯◯

ん?

及川 徹

なんで今日、俺のこと誘ったの?

☆☆ ◯◯

.................え、

☆☆ ◯◯

(告白したいからなんて口が裂けても言えないんだけど??)

☆☆ ◯◯

えっと......

及川 徹

、、?

☆☆ ◯◯

ちょっとだけ

☆☆ ◯◯

及川と話したかったの

及川 徹

そうなの、?

☆☆ ◯◯

......うん

もういいや、ここで全部言ってやろう!

もうすぐで花火が上がる時間だ

君への想いを、全部

ただ、伝わってくれたらそれでいいから

届け

☆☆ ◯◯

及川、

及川 徹

なに?

☆☆ ◯◯

私さ、

☆☆ ◯◯

中2の時からずっと.....

覚悟を決めて告白しようとした時だった

モブ女

あっ、及川さんだ!!

女子の甲高い大きな声が聞こえてきたんだ

及川 徹

へ.......?

☆☆ ◯◯

...........?!

モブ女

キャー!!浴衣姿かっこよすぎ♡

女の子たちはこちらまでくると、一瞬にして及川を取り囲んだ

モブ女

及川さん!!この後一緒にお祭りまわりませんか!!♡

及川 徹

え、ちょ......

モブ女

てか、その女の人誰ですか?

モブ女

もしかして、及川さんの彼女とかですか?

☆☆ ◯◯

..........、

急に来た女の子たちは及川にそう聞きながら私に鋭い視線を飛ばしてきた

その言葉に対して、私は何も言い返せない

☆☆ ◯◯

(怖い......)

及川 徹

え、いや、そういうのでは.....

及川 徹

この子とは、中学から仲が良くて

及川 徹

今日はたまたまお祭り誘ってくれたから一緒に来てたんだ

モブ女

そうなんですか〜♡

モブ女

よかった!♡

モブ女

もうお祭り、結構回ったんでしょう?

及川 徹

え、まぁ、大体は回ったんじゃないかな?

モブ女

じゃぁ、今度は私たちと回ってくださいよ〜!♡

モブ女

その女の人とはもう十分一緒に回りましたよね?

☆☆ ◯◯

............

及川 徹

確かに回ったけど、今日は◯◯と回る約束だからまた今度ね

及川 徹

まだ花火もあるし

やんわりとした口調で女の子たちを宥めるように説得しようとする及川

でも、女の子たちの勢いは止むことはなかった

モブ女

なんでですか!!

モブ女

及川さん、その女が好きなんですか?!

☆☆ ◯◯

っ.....!!

及川 徹

......だから、さっきの話聞いてたでしょ〜?

及川 徹

◯◯とは中学から仲が良いってだけだよ

あぁ、嫌だな...

この空間、すごく嫌だ....

私と及川の関係は 中学のとき仲が良かった"だけ"なんだ

私と彼を繋ぎ止めてたのはそれ"だけ"のものだったって

☆☆ ◯◯

(知ってたよ、そんくらい)

☆☆ ◯◯

(元々振られる覚悟できてるしさ)

☆☆ ◯◯

(でも、こんな形で知ることになるなんて.....)

☆☆ ◯◯

(あんまりだよ.........)

及川は女の子たちの勢いに押され気味で困っているのはすぐにわかる

この女の子たちは、好きな人が困ってるのに、それを止めようとしない子なんだ

でも、それは私も同じだって気づいた

私がここから帰れば、済むのだと

わかってしまったから

☆☆ ◯◯

ねぇ、及川

及川 徹

ん、どうしたの?

☆☆ ◯◯

私もう帰らなきゃ行けないんだった

及川 徹

え......?

☆☆ ◯◯

ごめん、お母さんに頼まれてたことあってさ笑

☆☆ ◯◯

私バカだから、すっかり忘れてたよ〜笑

☆☆ ◯◯

本当、バカだと困るわ〜!

及川 徹

◯◯、?

☆☆ ◯◯

だから、もう帰るね

☆☆ ◯◯

暇になるだろうし、その子たちと一緒にお祭り回ってあげてね!

及川 徹

ちょ、ちょっと待ってよ

及川 徹

◯◯帰るなら俺も帰るよ、!

☆☆ ◯◯

いやいや、及川は帰る理由ないでしょ?

及川 徹

家まで送るよ、危ないし

☆☆ ◯◯

良いってば!

☆☆ ◯◯

そんなに家が遠いわけじゃないんだし、1人でも大丈夫!

及川 徹

で、でも.....

モブ女

ほら、その女の人も言ってるわけですし、一緒に回りましょう♡

モブ女

私たちといた方が絶対に楽しいですし!

☆☆ ◯◯

っ...........

及川 徹

そんなこと、

☆☆ ◯◯

じゃ、バイバイ!!

そう言い残して、私は一目散に走り出した

及川が私の名前を呼ぶ声が聞こえたけど、それも全部無視して走った

結局、告白はできずに

この、5年間の恋は....

街灯に照らされた静かな道をただ1人で歩いていた

私、なんのためにここまできたんだろ

せっかく陽葵に可愛くしてもらえたのに

何もかも、自分のせいで無駄になった

ヒュー

ドンドン

空に、大きな花が咲いた

本当は、君と見るはずだった花火が

夜の空をいっぱいに埋めて散っていく

咲いて、散って

その繰り返し

そんな花火をぼんやりと1人で眺める

☆☆ ◯◯

.............

今頃彼は、あの女の子たちとこの花火を見ているのだろうか

悔しいけど、あの女の子たち、私よりも全然可愛かったし

そう言う形で見る方が、きっと及川も楽しいんだろうな

☆☆ ◯◯

っ........

気がついたら、涙が溢れてた

涙の理由なんて、考えたくもなかった

眩しすぎるくらいに光を放つ花火が滲んで、ボヤボヤだ

☆☆ ◯◯

(本当に、困るよ.....)

☆☆ ◯◯

(私が好きになった人は)

☆☆ ◯◯

(無責任なヒーローなんだから.....)

さようなら、私の初恋

バイバイ、私のヒーロー

私は、上がり続ける花火を置き去りにして、家へと急いだ

タップお疲れ様です!

毎日投稿2日目です!

◯◯ちゃんは、このまま及川さんへの想いを閉じ込めたままにしてしまうのでしょうか....

そして、及川さんの恋の行方はどうなるんでしょうね

夏休み、皆さん色々な予定があると思いますが、頑張って乗り切っていきましょうっ!!

そして、表紙絵が変わったことにお気づきでしょうか?やっと描きましたよ〜!!

1話目に全体画載せてるので良かったら見てください!!

では、また次回!!

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