今日は2月14日、バレンタイン。
放課後の教室には、3人の男子が 残っていた。
その内の2人のモテない男子は
女子からもしかすると呼び出される のではないかと
そわそわしながら椅子に座っている。
3人いるのに2人と言ったのは、
1人がイケメンだからである。
イケメンの男子は、1人黙々と帰る 準備をしていた。
高橋
高橋
ちなみに、主人公の高橋は冴えない バカな男の子である。
3人の教室に、静かな沈黙が訪れる。
そのとき、教室の沈黙を打ち破る 音が響いた。
ガラッ
教室の扉が開けられ、3人は一斉に それに顔を向けた。
扉を開けた主は、クラスメイトの 女子だった。
しかも、その手には
チョコが握られている。
宮嶋
宮嶋
宮嶋
宮嶋
って
高橋
高橋
高橋
高橋、という名を聞いて
教室にいた3人の男子が反応した。
そう、このクラスには
高橋が3人いるのだ。
1人はイケメンの高橋。
高橋
1人は委員長の高橋。
高橋
であれ…)
そして、もう1人は主人公のバカ である。
高橋
ヒャッハー!)
宮嶋
ないのよ
宮嶋
行っちゃったから
高橋
高橋
高橋
どう思う宮嶋さん!
宮嶋
イケメンの高橋愛斗くん
でしょ
高橋
高橋
いいだろ!
高橋
チョコ貰うんだ!
高橋
高橋
ずりーぞ!
宮嶋
貰ってたけどね
高橋
高橋
高橋
高橋
チョコを貰ったことが
ないんだ…
高橋
バレンタインは!
高橋
貰いたい!!
高橋
キャラだっけ
宮嶋
高橋
高橋
そのチョコを貰えば
いいよ
高橋
高橋
高橋
気に食わねぇ!
高橋
やつか!?
宮嶋
高橋
議論していても仕方ない!
高橋
聞きにいくぞ!
高橋
いくんだ?
高橋
高橋
った時の恥ずかしさが
高橋
高橋
行くのもね…
高橋
高橋
高橋
宮嶋
宮嶋
宮嶋さんが教室を出て行ってから、 かれこれ5分が経過している。
委員長とバカの高橋は、手や足を もじもじさせながら
宮嶋さんの帰りを待っていた。
その時、2人の願いが叶ったように 扉が開いた。
宮嶋
聞いてきたわ
宮嶋
渡したい人は…
ドキ…
高橋
ドキ…
高橋
ドキ…
宮嶋
だってよ。
高橋
高橋
宮嶋
だってさ
高橋
マジかよ!!
高橋
思ったのに!
高橋
委員長ぉ…
高橋
高橋
高橋
高橋くん
高橋
高橋
高橋
高橋
宮嶋
見せなよ!
委員長は、勢いよく教室を 飛び出して行った。
高橋
高橋
高橋
帰ろうかな
準備を整えた高橋がすっと立ち上がり教室の扉を開けた。
女子
女子
高橋くん
みるみる内に廊下に人だかりができ、
沢山の女子たちに高橋はざっと 囲まれる。
女子
女子
女子
高橋
沢山の女子に囲まれた高橋は、
うんざりしながら正面玄関の方へと 歩いて行った。
高橋
宮嶋
けどね
高橋
高橋
そろいもそろって
青春しやがって
高橋
貰えなかったなー…
悔し涙を流しながら、高橋は鞄をかついで教室の扉に手をかけた。
…とき、
後ろから鞄を引っ張られた。
宮嶋
高橋
宮嶋
宮嶋の手元を見ると
チョコの入った綺麗な紙袋が 握られていた。
高橋
宮嶋
あげる
高橋
高橋
高橋
チョコだ!!
高橋
高橋の心は浮かれていた。
なんせ、初めて女子から貰った チョコだ。
高橋
貰えなかったけど)
高橋
なかった時と比べると)
高橋
高橋
貰えるように頑張るぞ!)
高橋は、心の中でそう思うのだった。
宮嶋
宮嶋
高橋