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隣に座る彼の存在が 、 ずっと近い 。
教科書を開く音 シャーペンが転がる音 それだけで 、 心臓がうるさくなる 。
〇〇
ちぐさくん
不意に名前を呼ばれて 、 肩が跳ねた 。
〇〇
声 、 裏返った 終わった 。
ちぐさくん
彼は申し訳なさそうに笑う 〇〇の "1番好きなやつ" であることを 、 本人は知らない 。
ちぐさくん
距離が 、 近い 。
〇〇
〇〇
必死に平静を装う だって___ 。
〇〇
私が彼のオタクなんて 。
ちぐさくん
軽いノリで言われたその一言で 、 〇〇の情緒は崩壊した 。
〇〇
でも断れない 断れるわけがない 。
〇〇
向かい合って座ると 、 彼はスマホを机に置いた 。
――ロック画面が 、 一瞬見えた 。
〇〇
頭が追いつかない
ちぐさくん
〇〇
反射で否定した 。
〇〇
〇〇
ちぐさくん
彼はそれ以上深く聞かず 、 お弁当を食べ始めた 。
〇〇
その優しさが 、 1番残酷だった 。
ちぐさくん
帰り支度をしていると 、 また声がかかる 。
ちぐさくん
一瞬 、 間が空く 。
ちぐさくん
一瞬 、 時間が止まった気がした 。
〇〇
〇〇
震えそうな声を 、 必死で抑える 。
彼は少し考えるように首を傾げて 、 そして笑った 。
ちぐさくん
その一言に 、 なぜか胸がぎゅっと締めつけられた 。
〇〇
〇〇
矛盾した感情が 、 胸の奥で絡まる 。
画面越しじゃない推し 同じ教室にいる推し 。
ファンとしての距離を守りたいのに___ 。
ちぐさくん
手を振られて 、 〇〇は小さく頷いた 。
――もっと、知りたい 。
そう思ってしまった自分に 、 〇〇は気づいてしまった 。